第6章 恋の策謀事件(上)
夕食の時間ケンタウロスはマールスを交えてガイア、ウンディーネ、ディオとユニと食事をしていた。
「アフロディティーはたぶん来ないわね。」
ウンディーネが席にどさっと座った。
「だろうな。」
これに関してはみんな察しがついていた。きっと彼女はキューピットと食事をするだろうと思ったからだ。
「それにしてもヘファイストスの姿が見えないな。」
ケンタウロスが不思議に思っているとユニが”ヘルメス”も見かけないけどな、と言葉を付け足した。
「他のやつと食べてるんだろう。こっちはこっちで食べようぜ。」
マールスの言葉にみんな頷いて話しながら食べた。
今日のメニューは
★麦を挽いて作ったパン(アルトス)
★魚の串焼き(ヤリイカ、コウイカ、うなぎ)
★野菜たっぷりサラダ(キャベツ、アスパラガス、ニンジン、カラシナ、セロリ、きゅうり)
★レンズ豆のスープ
★デザート(ぶどう)
さて、話に戻りますがケンタウロス達は食べながら話しておりましたね。
「そういえばこの間の図画の野外授業でディオがやけに感心して絵を見ていたけれど何かあったの?」
ウンディーネがイカにかぶりついて言った。
「ああ、先生に紹介された絵があまりにも僕のお母さんに似てたんでね。」
ディオは笑顔で答えた。
「あの、女の人と子供の絵よね?」
ガイアが驚きの表情をした。
「そうだよ。」
ディオが頷いた。
そんな話をしているとみんなの両親はどんな人だったのかの話で盛り上がった。
「私には両親がいないみたい。神々が生まれる以前、宇宙には何もないカオス(混沌)が広がっていたんですって。そこに私が生まれたとされるそうよ。私の住んでいた土地のおじいさんがそう話してくれたわ。」
ガイアはため息をついていた。
「カオスが広がってどうやってガイアが産まれてきたんだろう?」
マールスが興味津津に聞いてきた。
「だからカオスから生まれたのよ。カオスは原初神として有名な方よ。。『大口を開けた』『空(から)の空間』の意味よ。オルフェウスによれば、このカオスは有限なる存在全てを超越する無限を象徴しているということよ。」
ガイアはみんなに説明しながらスープを飲んだ。