第14章 コートは危険がつきものだ
体育座りしたまま、マイノートを開く。
1ページめから見てみると、自分がマネージャーになりたての頃の記憶が蘇った。
部員の情報や名前、そして性格など。
びっちり書き込んでいる。
このノートに書くとすんなり頭に入る気がした。
私にとって魔法のノート。
ずっと大切。
『やっぱり私って、ダメなのかな………』
ボソりと弱音を吐く。
物覚え悪いし、生意気だし、見た目可愛くないし、性格も微妙だし…私にいいとこなんてない。
マネージャーになれたのが奇跡だ。
『もっと役に立ちたい…必要とされたいよ…』
そんなことを考えてると、頬に生暖かい涙が流れた。
泣いたのなんていつぶりだろ。
頬から落ちた涙がノートにポタポタと落ちた。
文字のインクが浮き上がる。
跡部「こんなところに居やがった」
『!?跡部部長…!』
跡部の声に驚きノートを背中に慌てて隠した。
跡部「アーン?なんか隠したか?」
『か、隠してない』
見られたくないため片手で涙をゴシゴシと拭った。
跡部「見せてみろ」
背中に隠してたノートをあっさり取られてしまった。
『み、見ないで!』
そんな言葉は既に遅く、跡部がじっくりとノートを眺めている。
跡部「………お前、これ」
『……ばーか!部長のばーか!』
自然と涙が溢れ出た。
跡部「…バカはお前だ、バカ……」
包み込むようにぎゅっと抱きしめてくれる跡部。
なんでかわからないけど、涙が止まらなかった。
跡部「なんで言わないんだ…こうゆうこと」
『だって…バカにされるし……っ。なんでもで…きちゃう部長には…わからないもんっ…』
跡部「これくらいわかる。俺様をなんだと思ってんだ」
『うぅ…グスッ』