第14章 コートは危険がつきものだ
跡部「お前は大丈夫か?怪我は?」
『だ、大丈夫です………』
跡部「……藍沢には悪いが、お前がなんともなくて良かった…」
震える私を優しく抱きしめてくれる跡部部長。
正直、怖かった。
目の前で痛そうに顔を歪めた藍沢先輩。
自分をかばって怪我して……本当に罪悪感だ。
忍足「なんや、大丈夫かいな」
向日「名前平気か?」
心配そうに近寄ってきた氷帝メンバー。
みんなにも迷惑かけちゃったな…
跡部「今日はもういい。ゆっくり休め…歩けるか?」
『はい……』
跡部「今日はやめだ。お前らもこの後は自由にしていい」
部員に伝えた後、手を引きながら名前の自室部屋に向かった。
跡部「本当に怪我はないな?」
『はい…藍沢先輩が守ってくれました…』
跡部「そうか………」
そんな話をしながら歩けばあっという間に名前の自室に着いた。
中に入れば名前をベッドに座らせる。
跡部「何を気にしてるのか知らないが、お前は何も悪くない。これは事故だからな」
『でも、私が周りを見てれば……』
跡部「あれは立海のコントロールミスだ。お前はマネージャー業をしていた所にたまたまボールが飛んできた。それでお前を怪我させたくなくて藍沢が守っただけだろう」
『そんな良いように考えられませんっ…』
跡部「はぁ…とりあえずゆっくり休め。なんかあったら呼べ、いいな?」
そう言い残して跡部は部屋から出ていった。