第14章 コートは危険がつきものだ
藍沢「今日は3校が集まって打ってるからボールの行き交い激しいから気をつけてね?」
『あ、気をつけます』
藍沢「昨日はよく眠れた?」
『はい!寝れたんですけど、寝るの遅かったからちょっと眠たいですっ』
藍沢「大丈夫?無理はしちゃダメだよ?」
『はい、ありがとうございます!』
そんな他愛もない話をしていると……
真田「危ない!!!」
藍沢先輩と二人で歩いていると急に大きな声が聞こえた。
藍沢「!!名前ちゃん危ない!」
『へ?』
真田さんの大きな声に気を取られてキョトンとしていればいきなり藍沢先輩に抱きしめられた。
何が起きたか分からなかった。
真田「!大丈夫か!?」
藍沢「っ…だ、大丈夫です…」
『え………』
誰かが打ったボールがコントロールミスでこちらに飛んできたのだ。
私がボールに気付かなかったから、藍沢先輩が私をかばってくれた。
男子が打ったボールだから痛くないわけがない。
痛そうな藍沢先輩を見て、いきなりのことに状況が飲み込めなくて立ち尽くしてしまった。
跡部「アーン?どうかしたか?」
真田「うちの部員のコントロールミスで、マネージャーにボールが当たってしまったようでな…」
手塚「ん?大丈夫か?何があった…?」
『わ、私が………』
藍沢先輩に何かあったらどうしよう…
私がしっかり周りを見てなかったから…こんなめに…
だんだん状況を把握する度に体が震えてしまう。
きっと声も震えているだろう。
手塚「ん?」
『私がよそ見してたから……っ』
真田「いや、お前は悪くない。うちの部員がすまなかった……この通りだ」
跡部「とりあえず医務室に連れていった方がいいだろう」
手塚「あぁ、そうだな。藍沢、立てるか?」
藍沢「あ、はいっ…すみません」
越前「なんかあったの?」
手塚「話は後だ。とりあえず俺は藍沢を医務室に連れていくから、越前は部員に伝えてくれ」
越前「了解ッス」
手塚は藍沢を連れて医務室に向かった。