第10章 たまには甘えたくなるものです。
甲斐「行っちゃったさー」
木手「素直じゃないですね。まぁいいでしょう。良かったら、私が部屋まで送りますよ」
『え!いいですよ!すぐ近くですし!』
木手「素直にハイといいなさいよ…」
『じゃあ、はい』
平古場「潔いいさー」
甲斐「なら俺たちも名前を送っていくさー」
木手「おっと、それは不要ですよ。甲斐くんと平古場くんは先にお風呂にでも行っていてください。大勢で押し寄せるのも迷惑でしょう」
平古場「まぁ、そうゆうことなら仕方ないさー。んじゃ、先に言ってるんど」
甲斐「名前、また後で話そうな?」
どうやら木手が宍戸の代わりに部屋まで送ってくれるそうだ。
平古場は笑みを浮かべながらその場を立ち去り、甲斐は名前の頭を優しく撫でた後にその場を去っていった。
木手「では、行きましょうか」
『あ、はい!』
改めて永四郎と二人きりになるのは初めてである。
何を話そうか考えるとすぐに話題が浮かぶ。
『ねぇねぇ永四郎?』
木手の顔をのぞき込みながら訪ねる名前。
木手「ん?なんですか?」
『ここの合宿所ね、星空の露天風呂があるんだよ!』
木手「ほう。それは初耳ですね」
『でもね!混浴らしいの!私知らずに入っちゃったんだけどね』
木手「!……入ったんですか?」
混浴?
誰と入ったのかとても気になる木手。
だが聞けるはずもない。
『うん!まぁ寝ちゃったからすぐ上がっちゃったんだけどね……』
木手「そうですか……それは残念でしたね…」
『だからまた入りに行くつもりです!!』
木手「……なら、その時は俺も誘ってくださいよ」
『あ、うん!いいよ!一緒に行きましょうねっ』
た裸の付き合いという事に抵抗がないのかあっさりOKの許可をくだす名前。
木手「保健は習ってないんですかね……この子」
木手はボソッと呟いた。
まるで独り言のように。