第9章 綺麗な星空を見上げるのもいいよね。
跡部「お前……忍足なんかに媚売やがって」
『ち、違うんだってばー!』
部長はアホだ。
ますますアホに見えてきた。
向日「まぁいいだろ。つーか、星の海みてぇじゃん!名前、一緒に入ろうぜ!」
『えっ、うん!』
ジロー「あ、俺も俺もー!」
天使のがっくんが助けてくれた。
はぁ、本当に天使です……がっくん先輩。
宍戸「ったく……あいつらは……」
鳳「忍足先輩ずるいですよ……」
日吉「俺たちが来なかったら名前は忍足先輩の餌食に……」
跡部「俺様の名前に手出したら許さねぇからな」
忍足「いつからお前のもんになったんや……」
向日「なぁなぁ、まじですげぇ星だよな」
『うんっ。綺麗ですよね……』
ジロー「キラキラだねー」
3人で星空を見上げながら呟く。
なんだかすごく落ち着く。
今、左にはがっくん先輩。
右にはジロー先輩。
疲れてたことも、嫌なことも吹き飛ぶ。
『…………zzZ』
向日「お?名前?」
ジロー「あれ?もしかして……寝ちゃったの?」
向日「そう……みたいだな?」
名前は、いつの間にか向日の肩に寄り添って眠ってしまった。
ジロー「ねーねー!名前寝ちゃったよー!」
宍戸「はぁ?なんで風呂で寝るんだよ」
日吉「まぁ、マネージャー業初日でしたからね…」
向日「誰が部屋まで連れてくんだ?」
跡部「俺様に決まってんだろうが」
皆、風呂で話をしていてはまだ露天風呂に来ていなかった樺地が服を着たまま入ってきた。
鳳「あれ、樺地どうしたの?」
樺地「跡部さんに……榊先生が用があると……至急、お願いします……」
跡部「チッ……なんでこんな時に……。なら宍戸、俺の代わりに名前を運んでおけ」
宍戸「はぁ!?な、なんで俺なんだよ!」
跡部「お前なら忍足みたいに手を出さなそうだからな」
忍足「心外やわ」
宍戸「わ、わかったよ……ったく」
跡部「よし、いくぞ樺地」
樺地「ウス」
跡部は露天風呂に入る前に用事を済ませるためその場を後にした。