第5章 一人の時間も必要…なんだよ?
あれから比嘉と別れ、自室に戻ってきた。
『ふぅ……やっとのんびり一人の時間だぁ…』
ぐでっとベッドに転がる。
今日は色々な人に会ったし、大人数だし…こんな私でも結構疲れます。
『まずは自分の荷物でも整理しようかなぁ』
キャリーケースと、手提げの大きなバッグに大量の荷物を詰め込んできた。
長期合宿と聞いていたので、忘れ物だけはしないようにと思っていたら大荷物になってしまった。
仕方ないよね。
だって…女の子だもん。
『ここのチェスト使っていいのかな?まぁいいや、使っちゃえ』
豪華なことに、私はひとり部屋だ。
誰もいないしゆっくり休めそうな気がする。
そして、ここの合宿所は我が氷帝の部長である跡部財閥が所有する合宿所なんだとか。
だから一部屋一部屋綺麗で、贅沢にもチェストや机が置いてあったり…
何よりフカフカベッドは私のお気に入りだ。
とりあえず荷物をキャリーケースから取り出していく。
コンコン。
『ん?誰だろ?』
皆は部屋にいるはず。
自分に用がある人間などいないだろうと思ったが、とりあえず扉を開ける。
仁王「お、居たか」
扉をノックしたら可愛い奴が中から出てきた。
あんまり話す機会が無かったからのぅ
『あれ、立海の…どうしたんですか?』
なんか用があるのだろうか。
そのまま立ち尽くしながら仁王を見つめる。
仁王「お前さんモテるようじゃからな。コレをお前にやろうと思ってのぅ」
何かの箱を渡された。
『?何ですか?コレ……』
仁王「イイもんじゃよ」
『イイもん?なんだろう……』
箱に入っていることは、壊れ物?
でも箱小さいしなぁ……
仁王「後で開けてみんしゃい。……それはそうと、そんなに荷物広げて…見られちゃいけないもんが見えてるぜよ」
俺が立っている位置は扉の外側。
女子の部屋はやっぱり男としては気になってしまうもの。
名前が背が低いから部屋がちょうど見渡せる。
中を見ると荷物広げて整理でもしていたのだろう、着替えから下着までもが見えた。
『?見られちゃいけないもの…?』
きょとんとしてしまう。
見られちゃいけないものなんか持っていたかな?
そう思いながら仁王から部屋に目を移す。