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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第18章 まるで少女漫画みたいな【二口堅治】






「6年だよ、バーカ。…久しぶり、二口」

自分で言って驚いた。
気づいたら、6年もの月日が経っていた。

二口の姿を見て、そりゃそれだけの時間も経ってるよなぁ…と思う。
今着てるのはもちろん制服じゃなく、スーツだし、雰囲気も変わってる。

周りの迷惑がる眼線に耐え難くなってきて、2人で小道に入り込む。

「…それにしても1人で繁華街歩くとか寂しい奴だな」

開口一番にそれですか。
でもこういうのは慣れてるから、私は平然と言い返す。

「仮病使って飲み会抜けてきたの。1人なのはそっちもでしょ」
「俺は残業してた時に急に飲み会呼ばれたから1人なんだよ」
「え、じゃあ急いでる?」
「行くのやめたから別にいい」
「えぇ…行かなくていいの?」
「元々行くの面倒だったからいいんだよ」

これだけの会話で、少しホッとする。雰囲気は変わっても、本質は変わってない。
あの頃の私たちと同じだ。

「…綺麗になったな」
「……え?」

さらっと言われた思いもよらぬ言葉に私は目を見開いた。ドキッとした心は隠す。

「なんだよ」
「いや…高校のときはブスブス言われてたから」
「何、ブスって言ったほうがよかった?」
「うわ、すぐそういうこと言う!二口のバカ!」
「バカって言ったほうがバカなんじゃなかったっけ?」
「うぅ…」

言葉に詰まって悔しい反面、あの頃から変わってないことがすごく嬉しい。

この関係が、この会話が、この空気が忘れられなくて。

「…美咲が変わってなくて安心したわ」

あなた以外誰も好きになれなかっただなんて知ったら、あなたはどう思う?

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