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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第16章 似た者同士【田中龍之介】



「潔子さんのいない学校に、来る価値などあるのだろうか…!」
「いや、ない…ないね」

体勢こそ干からびたナメクジのようになっているが、2人揃って口だけはまだ元気なようだ。
一応説明しておくと、この2人は一学年上のバレー部マネージャー・清水潔子のファン…というのが正解なのか。あるいは清水潔子を崇め奉る信仰者…。
ともかく、この2人はもう一人の信者・西谷夕とともに、清水に猛アピールを軽くスルーされるという日々を送っている。

「潔子さんを脅かす病魔め…この田中龍之介が許さんぞ!」

病魔といっても、ただの軽い風邪である。

「ありとあらゆる手を尽くして、潔子さんを助けないと…!」

もう一度言うが、普通の風邪である。
西谷も含め、いささか思考回路がおかしい3人には、同輩の縁下も頭を悩ませている。
彼の苦労が窺えるようだ。

「お見舞いとか行ってもいいかな…」
「潔子さんは怒らないと思うが…美咲は家を知ってるのか?」
「知らない…」
「俺もだ…」

2人揃って肩をガクリと落とす。
この教室の空気がさらに重苦しくなったと、2人は感じるのだった。


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