第15章 膝上のスカート【国見英】
「…で、美咲に変なこと教えたのは誰?」
「え?えっと、と、友達の女の子…」
「ふぅん。なんでそんな話になったの?」
「そ、その……」
言いづらい話題なだけに、私は口ごもった。
話は数日前に遡る。
私は恋愛相談というものを女友達に持ちかけたのだ。
中学から女子校に通い、恋愛とは縁のない3年間を過ごした私が、高校生になって国見くんという彼氏を持った。
国見くんは素敵な彼氏だった。優しくて、本当に好きな人。
けれどーーいくら女子校とはいえ、付き合っている相手とすることぐらいは、分かっている。キスのその先。
その先へ進んだことがないことは、大切にされてる証拠だと友達には言われた。でも不安は拭いきれない。
自分はそれほどの存在になれてないんじゃないかーー
それを打ち明けると、友達からの"ささやかなアドバイス"。
いつも校則通りの長いスカートを、短くして。
甘い香水を耳朶に一滴、首元に一滴。
可愛い下着をセーラー服の下に着て。
…なんて正直に言えるわけがない。