第8章 Annoying!!【及川徹】
「じゃ、靴はこれね」
「…うわぁ」
ヒール3cmぐらいのパンプス。
身長175cmにはあまりに高すぎる。
「24cmで入るよね?」
「なんでサイズ知ってるの」
「いや、靴脱いであるし。意外と足はちっさいんだね?」
「……」
意外とは余計だわ、クソ川。
心の中で悪態を吐きながら、渋々パンプスを履く。サイズはぴったり。
…現在身長178cm。お願いだから身長を縮めたい。
「よし、完成〜!じゃ、お会計お会計〜」
「え、買うの?!」
「買ってあげようか?」
「私が買わなきゃ及川が本当に買いそうな勢いだね…」
「うん、買うよ?」
「いいです、自分で買います…」
及川に借りなんかこれ以上作ったらどうなるか。
身を滅ぼすような気がして、私はやれやれと自分の財布を開いた。