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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第3章 ニュートラルグレイ【菅原孝支】



澤村って分かりやすいの。見えやすいって言った方が近いかな。
骨だとか筋肉だとかが、どこにあるのかが見えるの。
この骨がこう構成していて、あの筋肉があそこにこう付いていて、みたいな。体の内部まで見える。
肋骨から指先の小さい骨まで。
だからデッサンのモデルにぴったりで。

昔から絵を描くのが好きで、特に人物画をよく描いていた。骨格を描いて、そこに肉付けしていくイメージで。
だから、人を見ると骨格が知りたくなる。
自分でもちょっと気持ち悪いと思うけど。

「はあぁ…美咲って凄いな」
「そ、そんなことないよ、自分でも気持ち悪い癖だと思う…」
「美咲はちっとも気持ち悪くなんかないよ?」

ニコッと、人懐こい笑顔で言う菅原。色素の薄い瞳から私は逃げるように顔をうつむかせた。



ーー菅原は見えないタイプの人だ。
見せないと言った方が近いのか。
菅原は骨格が見えない。
その内側が見えない。
その白い皮膚の下に何があるのか、何を思っているのか。
人懐こそうな反面、どこか掴み所のない、飄々とした人。
学ランの、ワイシャツの下の、肌の下。
あなたはそこに何を隠しているの。
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