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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第24章 学園不適合者【瀬見瑛太】


「君は実力があるにも関わらず、控えの選手だそうだな。しかも君の代わりに舞台に上がっているのは年下の、君より劣る選手だそうじゃないか」
「…あいつは、優秀なやつだ」
「でも君よりは実力は下なのだろう?」

俺はあのぱっつん頭の後輩のことを思い浮かべた。
あいつは優秀なセッターだ。スキルもある。今の白鳥沢に必要とされる選手だ。

「あいつは…白布は、若利を上手く使える。俺にはそれが出来なかったからコートから外された。それだけだ」
「要するに」

俺の言葉に被せるように畳み掛ける。
眼鏡の分厚いレンズの奥の真っ黒な二つの目玉は、俺を視線で縛り付けた。

「瀬見瑛太。君は集団のために個を殺すことを選ばなかった。だから君は正選手ではない」

そうなのだろう?私の憶測に間違いはない。認めろ。
と言うような目線に、俺は目を背けた。

「…見てないくせに知ったような口をするんだな」
「こういうことを分析するのは、アインシュタインの相対性理論を説明するより容易い」

ふん、と鼻で笑う。

「私と同じじゃないか」
「…何が」
「同調を嫌う。己の力が発揮されることよりも、優先すべきは己だ」

視線だけを戻すと、そこには凛とした佇まいで、挑戦的な目をした彼女が座っていた。








「個を殺したら、それは死と同義だ」






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