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第17章 chapter2 ⑥ ビーチハウスと金属バット


『……えーっとねぇ、私たちがここに集まっていた理由はと言うと………。』
どう言おうか迷ってペコちゃん達に目を向けると、ペコちゃんと九頭龍くんは気不味そうに目を反らし、真昼ちゃんは何か言いたげな顔をしていた。
まさか今ここで起きそうだった殺人を食い止めていましたとは言えないよなぁ。
真昼ちゃんが余計なことを2人に話す前に適当なこと言って追い返そう。
『……何でもないことだよ。ただみんなで野球をする計画を立ててただけなんだ。』
かなり大雑把な嘘だな。
当然その場のみんなは「えっ?」って反応をしてた。
『やる場所と日時と参加人数を決めるための会議みたいなものだよ。で、私はその会議の予定時刻を大幅に遅刻しちゃったから「みんなにシメられちゃう!」ってことで恐怖におののいた焦りから叫んじゃってたの。』
我ながらよくこんな自分でも信憑性のなさの分かる嘘が吐けるよな。
でもまぁ他の人たちに本当のことが知られたら面倒なことになるだろうし出来る限り隠蔽しなきゃ。
「……そうだったのか。悪かったな、会議の邪魔して」
日向くんはちょっと訝しみながらも頷くと出ていこうとした。
『(よし、そのまま帰れ!)。』
と、その時、引き返しかけの日向くんが振り返る。
「野球の予定決まったら俺も誘ってくれよ」
手を振りながらそう言って日向くんは左右田くんと一緒に戻っていった。
『…………。』
このメンツで野球なんてホントに出来るのかな……?。
今更ながら結構無茶ぶりなデマを生み出してしまったことを実感した。
「………おい」
九頭龍くんのいつもよりトーンの低い声が背後から聞こえた。
『……何かな?。』
言いながら振り返る。
「テメーは何だ? いきなり現れたりおかしな嘘吐いたり……」
不機嫌と困惑が混じった複雑な表情の九頭龍くんが私を睨む。
『言った方が良かった?。』
手早く話をするために少し強めの口調で言った。
「……何をだ」
『今ここであったこと、日向くん達にそのまま伝えても良かったのかってこと。』
「………ぐッ」
九頭龍くんは押し留めたような声を出した。
横に立っていたペコちゃんが背中に掛けてある竹刀に手を添える。
……アレで叩かれたら堪ったもんじゃない。
『あー……誤解はしてほしくないな。私はただ誰にも傷付いてもらいたくないだけだから。つまり止めに来ただけなんだよ。』
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