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第17章 chapter2 ⑥ ビーチハウスと金属バット
危ない。
危ない。
真昼ちゃんが危ない。
息を切らして走り抜け、私はビーチハウスの扉を勢いよく開けた。
『真昼ちゃん!。』
真昼ちゃんの背中と、その頭に向けて振り下ろされる金属バットが目に入った。
床を蹴って自分の体を前方に飛ばす。私は真昼ちゃんを体当たりの要領で突き飛ばした。
「キャアッ!」
真昼ちゃんの叫び声。
衝撃で倒れ込んでいく真昼ちゃんがやけにスローモーションっぽく見えた。
次の瞬間、背中に強い痛みと圧力が来る。
きっとさっきの金属バット。
うん、まぁそうなるよね。
「………希灯?!」
『……う、うん。………ゴホッゲフ、ゲホンッ。』
背中痛い。しかも咳が止まらない。
「誉稀ちゃん……? え、ウソ、大丈夫!?」
真昼ちゃんが起き上がり、私の背中をそっと撫でてくれた。流石みんなのお母さん。
『ま、真昼ちゃん、ありがとう。ケガ、とかはない?。』
「あたしは大丈夫だけど、それより誉稀ちゃんが……」
『大丈夫。もう痛みも引いてきたよ。』
何とか立ち上がると、ペコちゃんと九頭龍くんに目を向けた。
『あっ、ぺ……辺古山さん、真昼ちゃんを殺さないで………あと、九頭龍くんもね。』
「おい、お前どうして………」
『気にしないで。ただの通りすがりだから。』
ペコちゃんの手から金属バットを取る。
意外とリボン結びを解くみたいにスルリと放されて、何の抵抗もない。
突然の私の登場にみんな困惑してるみたいだった。
『えっと…………。』
何か言おうと思って口を開きかけた時、背後から数人分の足音が聞こえた。
多分、ダイナーに集まってた人たち。
「どうしたんだ?」
日向くんの声だった。あと左右田くんもいるっぽい。
振り返ると、日向くんと目が合った。
でも次の瞬間には私の手に持つ金属バットに視線が行っていた。
まぁ無理もないと思う。
ビーチハウスで金属バット持って立ってるなんて、不自然にも程があるよ。
「オメーらどうしてこんなとこに集まってんだ?」
左右田くんがハウス内のメンツを見ながら言った。
『左右田くん達こそ、走ってきたみたいだけどどうしたの?。』
「どうしてって……さっきお前が叫びながらここに向かって走って行ったから気になって見に来たんだよ」
あ……しまった。
叫びながら走る人なんて尋常じゃないから確かめに来るのは当然なのかも。