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第16章 chapter2 ⑤ トワイライト・シンドローム
「僕はもう誰も殺そうだなんて考えないよ。……お母ちゃんの事とかは心配だけど、きっと大丈夫だって信じるよ。確かめに行くのは……皆とこの島を出た後でって決めたんだ」
少し不安げながらも、その眼差しは光のある綺麗なものだった。
迷いを消したような。何かを信頼するような。
……まるで、希望を抱いているような。
「あの日の夜の希灯さんを見て、何となく不思議な気持ちになったんだ。こんな絶望的な理由で連れてこられた島でも、皆と一緒なら絶対出られるんじゃないかって……」
みんなと一緒に外に出る………私と同じだ。
私も絶対みんなを外の世界に無事に出してあげるって決めたんだ。
『うん……きっと全員、この島から出られるよ。』
そう言うと、花村くんはちょっと安心したっぽい笑顔になった。
『モノクマに負けないように頑張ろうね。』
「うん、そうだよ! モノクマなんかに屈して堪るもんか……絶対に全員で脱出するぞーっ!」
覇気のある口調で花村くんは「えいえいおーっ」と右手の拳を振り上げた。
良かった。さっきの雰囲気から打って変わって明るくなった。
「希灯さん、ありがとう。君に話してよかった。気持ちが軽くなったよ」
すっかり安心したように花村くんはホッと息を吐き出すと、私に向けて柔らかな笑みを見せてくれた。
花村くんと別れて、私はレストランを出た。
花村くんは後片付けをするからってことで、また厨房に戻ったみたい。
………あ、そう言えば。
花村くんに食事当番頼むの忘れてた。
……まぁ、いいか。どうせあの空気じゃ場違いすぎる内容だし。
また今度でいいや。
そんなことを思いながら、私は時計の針を確認した。
10時半か……。
特にするべきことはないから、とりあえず島を巡回しようかな。
私はホテルを出て、近くの施設から順々に見て回っていった。
ロケットパンチマーケットで真昼ちゃんとヒヨコちゃんが一緒にお菓子選びをしているところに出くわしてヒヨコちゃんに追い払われたり。
砂浜で格闘ゲームみたいな動きで戦っている弐大くんと終里さんを眺めたり。
空港で解体して遊んでる左右田くんを見かけたり。
牧場でソニアさんが田中くんから動物の触り方を教えてもらっているのに参加したり。
ジャバウォック公園でペコちゃんが竹刀の素振りをしてる橫で千秋ちゃんが大の字で寝てるのを起こそうとしたり。