スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys
第15章 chapter2 ④ 朝ご飯
よかった、何もこぼれずに済んだ……。
「朝からキミと2人っきりで居られるなんて、ボクはなんて幸運なんだろう。これもここで縛られてるおかげかな?」
『はいはい、冗談はいいから早く食べてね。』
トレイを床に置いてトーストを狛枝くんの口元に持ってく。
「ありがとう、いただきます」
そう言って噛んだ時、美味しそうなサクッて音がした。
ふんわりとしたマーガリンの匂いも食欲をそそる。
『……ねぇ狛枝くん、この食事は真昼ちゃんが用意してくれたものなんだよ。』
「小泉さんが?」
咀嚼しながら狛枝くんが顔を上げる。
「キミが作ってくれたんじゃないんだ?」みたいなちょっと残念そうな顔に少し不快感を覚えた。
『真昼ちゃんは誰に言われることなく狛枝くんに食事を持ってってくれるような優しい人なんだよ。それを「パンにして」とか「他の人がいい」とかさ……そんな風に他人の親切をぞんざいに扱っちゃダメ。』
狛枝くんみたいな変態さんを構ってくれる程の人はそうそういない。私は義務でやってるだけだけど、真昼ちゃんは違うんだよ。
「……うん、ごめんね。優しくしてもらったのが嬉しくって、つい調子に乗っちゃったんだ」
反省したかどうかは怪しいけど、とりあえず謝ったからいいか。今の言葉は真昼ちゃんに伝えておこう。
『……そう言えば狛枝くん、牛乳まみれにしちゃったけどそれっぽい異臭がしないね。』
当然衣服とか床は乾いてるけど、ほんの1日で何の手も加えずに匂いが消えるなんてありえないことだと思う。
「うーん……それがボクにもよく分からないんだよね。朝起きたらキレイになってたんだ」
『えー……何その便利な超常現象。いや、まぁ臭くないならそれはそれでいいんだけどね。』
何でだろう。モノミちゃんがしてくれたのかな?。
でもステッキは壊されたはずだし………。
まぁいいや。とりあえずプログラムがしてくれたことにしよう。
何とか狛枝くんの食事を済ませ、私はトレイを持って部屋から出た。
『真昼ちゃん、お待たせ。』
廊下で待っててくれていた真昼ちゃんは「お疲れ様」って言いながら片眉を下げた。
「ごめんね……狛枝から何か嫌な事とかされたりしなかった?」
『ううん、大丈夫。今回は大人しかったよ。』
旧館を出た後、私は真昼ちゃんと少しお喋りをした。
さっきのことや、この修学旅行のことについての軽い世間話だった。