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第12章 chapter2 ① 牛乳にまみれて
………あ、そういえば。
狛枝くんは大丈夫かな?。
心配だし、ちょっと見に行こうか……。
でも、もう中央の島まで来たから今更戻るの面倒だし、朝御飯も誰かが届けてくれたのかも。
いや、もしかしたら左右田くんとかが「あんな奴は絶食だ!」みたいなこと言って何にも食べさせてもらってないかもしれない。
空腹は辛いよな………4番目の島では酷い目にあったもんだよ。
やっぱり一応見に行ってみよう。
パン食派の狛枝くんの為に、食パンの袋と牛乳を持って私は旧館に入る。
『狛枝くん、居る?。』
扉を開けると真っ暗闇。
確かここにいるはずなんだけど……。
明かりをつけると、広い部屋の中央に狛枝くんが寝っ転がってた。
「…あ、希灯サン。どうしたの?」
電灯の光に眩しそうに目を細めて、私の方を見た。
『お腹空いてない?。パン持ってきた。』
「ありがとう。希灯サンは優しいなぁ」
ビニールの袋からパンを1枚取り出す。
『1人で食べられる?。』
口に持っていくと、狛枝くんは苦笑い。
「希灯サンに千切って食べさせてもらえたら嬉しいんだけどな………ほら、今両手使えないし」
図々しいかな、と付け加えてから私の差し出した食パンを一口かじった。
『いいよ、一口サイズに分けながらってことだね。』
「うん、あとついでに膝枕しながらだとボク最高に幸せなんだけど」
『……弐大くんの膝と花村くんの膝、どっちか好きな方を選んでいいよ。』
狛枝くんってこんな冗談言う人だっけ?。
以前の狛枝くんの御飯当番は1回もしなかったからわからないけど、少なくともセクハラすれすれな発言をする人じゃない。
「あのね、希灯サン」
パンの欠片を咀嚼しながら狛枝くんは私の方へ頭を上げた。
『なに?。』
よく噛んだパンをゆっくり飲み込んで、口を開く。
「ボク、キミのこと好きになっちゃった」
『ふーん。』
ん?。今、狛枝くんは何と?。
『ね、さっき「好き」って言った?。』
「うん」
『え?。何で??。』
一体どこにそんな要素あったんだか。
「ほら、昨日の夜に希灯サンは身を挺して皆を助けたよね」
『そうだけど………。』
「ボクの望んでた希望とは違うけど、他の皆にとってキミの行動はまさに希望だったんだよ。起こるはずの殺人を、誰1人傷付けることなく止めたんだからさ」