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第38章 Chapter6 ⑥江ノ島アルターエゴ
『…………。』
電子生徒手帳から、日向くんの叫び声が聞こえた。
衝撃の事実を知らされてパニックになってるみたい。
そりゃあ、現実世界での自分が脳ミソを弄くられてて、完全なる別人になってて……それで、強制シャットダウンになったらそういう存在になることが確定してたら、そんな反応にもなるよね。
辛いし怖いし、信じたくないよね。
本当に。
でも……さっきから何か変だ。
みんながカムクラの名前を出すたびに、落ち着かなくなる。
ソワソワする。ドキドキする。呼吸が乱れる。手が汗ばむ。
『(イズルくん……)。』
切ない。会いたい。寂しい。苦しい。
鼓動が、全身の神経が、異常なまでにカムクライズルを意識している。
『ダメだ……こんな気持ち、失くすべきなのに。』
画面に映る日向くんから、イズルくんの面影を探してしまう。
ダメ。不誠実だ。不謹慎だ。いけない。ありえない。
『(段々とイズルくんに対する気持ちが大きくなってる……抑えなきゃ……)。』
会いたい。会いたい。イズルくんに会いたい。
強烈な恋慕と焦燥感にあてられながら、卒業試験の行方を見守る。
今……卒業試験は上手くいってないみたい。
卒業を選択すれば私の体を介して江ノ島アルターエゴが外の世界に解き放たれ、留年になると江ノ島や苗木くん諸とも全員がプログラム内に閉じ込められてしまう。
強制シャットダウンも……日向くんたちにはデメリットが目立っちゃって、するかしないかって話どころですらない。
何を選んでも無傷ではいられない。どうなっても完全なるハッピーエンドにはならない。
『(もっと良い方法はなかったのかな……私にもっと力があったら、江ノ島アルターエゴを無力化させたり、日向くんの問題もどうにかなったのかな……)。』
見守ることしかできなくて、つい、そんなことを考えてしまう。
後悔にすらならない無念が降り積もっていく。
何を思おうと今さら何もできないのに。
『(役立たずだ……)。』
ここから出られない。
みんなの奪われた記憶に囲まれたまま、動けない。
仮に向こうに行けたとしても、何をどうするべきかも分からない。