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第10章 chapter1 ② 言い訳
『なに?。日向くん。』
日向くんは十神くんの持つ鉄串を指差した。
「希灯はさっきあの鉄串が足りなかった分のやつだって言ってたよな」
『うん、そうだけど。』
「鉄串が足りないことは俺と十神と、あとは花村くらいしか知らない筈なんだ。それをどうしてお前が知ってたんだ?」
『えッ?!。』
やばい。余計なことを言っちゃった。
日向くんの勘の良さってクロからしたらとんでもなく邪魔なものだったんだろうな。
『えーっと、あぁー……それはねぇ………。』
「別にあんまり気にすることじゃないと思うけど、やっぱり少し気になるんだ」
どうしよう、ここで変なこと言ったら狛枝くんみたいな扱いになっちゃう。
『えっとね、実は花村くんが教えてくれたの。そ、そうだよね、花村くん。』
「え?」
お願い、私のために嘘吐いて!。
「あぁ……そういえば教えた気がするね。僕の股間のシュラスコを希灯さんに味見してもらおうとした時だったかな」
私の目配せに気付いてくれたのか、花村くんは冗談混じりに同調してくれた。
「そうか、花村に聞いただけだったんだな」
『う、うん、そうなんだ。あはは…………。』
「ごめんな、変な疑い方して」
日向くんが苦笑いで謝る。謝ってくれるだけマトモだね。左右田くんなんて裁判の度に私を疑ってきては舌打ちひとつで片付けるんだから。
『よし、じゃあ話を戻そうか。』
みんなに向き直る。鉄串の話の途中だったかな。
『えーっと、花村くんは狛枝くんを止めようとしてくれたんだよね。狛枝くんが何か企んでるのに気付いたのはやっぱり昼間かな?。』
分かっちゃいるけど質問形式とかにしとかないとまた不審に思われちゃう。
慎重に進めよう。
「うん、狛枝くんが掃除の最中にナイフとかを仕掛けてるのを見ちゃって……」
『なるほどね。で、ナイフが仕掛けてあるテーブルの床下で待って、ナイフを取ろうとする狛枝くんに鉄串をお見舞いするつもりだったんだね。』
「まぁ、そんなところ……かな」
花村くんが狛枝くんをチラッと見て冷や汗をかく。
殺すつもりがあったにしろ、なかったにしろ、花村くんは相当勇気を振り絞ったことだろうね。
以前は間違えて十神くんだったけど、もし狛枝くんを殺してたならきっと花村くんは自己犠牲でおしおきを受けることになってたかもしれない。