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第36章 chapter6 ④遠いあのとき


考え込んでいると、また目の前に誰かの記憶が現れた。
こちらを見上げながら嬉しそうに頬を染めてニコニコと笑っている、希望ヶ峰学園の制服を身に付けた女子生徒の姿があった。
『わ、私……?。』
毎朝鏡で見る顔が、見たことないくらい幸せそうな表情で誰かに微笑んでいる。
『うわ……。』
背の高い人の視点のようだ。これは誰の記憶だろう。
映像を見ていると、視界の端に手が写り込んだ。
男の手だ。黒いスーツの袖も見えた。
この手と袖はどこかで見たはずだ。たしか現実の千秋ちゃんが死んじゃってた場面と……あと、さっきも。
映像の中の私が両手を広げ、相手を抱き締めるような仕草をした。
そして視界には私のつむじと、あとは相手の髪の毛ばかりが映る。
その長くて黒い髪すら心当たりがあった。
『(これは……イズルくんの記憶。さっきの千秋ちゃんのもイズルくんの記憶。っていうことは……つまり……?)。』
イズルくんはこのプログラムに参加している被験者の1人だということだ。
あの15人の中で該当するのは、背格好と顔面の造形から言って……日向創だけだ。
『イズルくんと日向くんは……同一人物、ってこと……?。』
あり得なくはない話だ。
プログラムの被験者のみんなは全員、希望ヶ峰学園の入学初日の姿になっている。
未来機関に保護されるまでの数年の間に見た目が変わってしまっていたら、外見が一致してなくて当然だ。
でもイズルくんと日向くんの言動はあまりにも違いすぎる……。まるで別人だ。
それにイズルくんの記憶を奪われた理由も分からない。私がイズルくんのことを覚えている状況がよほどこのプログラムの進行の不都合にならない限り、記憶を奪うなんてしないはずだ。
『分からない……。どうして……。』
悩んでいると、誰かの視線を感じて顔を上げる。
そこにはまだ先ほどの記憶が浮かんでいた。いや、違和感がある。
映像の"私"が私の目をじっと見ている。
『……?。』
映像が終わってないだけかと思ったが、何だか妙だ。
目の前の記憶がリアルタイムの事象のように感じる。
まるで姿見の前に立っているかのように、学園の制服を着た私と私自身は見つめ合っていた。
制服姿の"私"は、少し気に食わないような顔で私を見ながら足を踏み出す。
『えっ、うわ……!。』
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