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第36章 chapter6 ④遠いあのとき


少なくとも、モノクマには私が自らこの場所に来たように見えたんだろう。
心当たりは全くないが、私だけがここに移されたのが偶然やバグだと決めつけられない。
何らかの意志を感じる。
それが誰のものか、何のためかさっぱり分からないけれど。
見知らぬ人の夢を何度も見たあのときと同じように、何か意味があることなのではと思ってしまう。
意味もなしにただここに転移してしまっただけならそれはそれで解せないけど。
どちらにせよ今は歩くことしかできない。
悶々と考えつつ、視線を下にやったまま歩き続ける。
『…………。』
15人の記憶がある場所に来る必要があったのなら、ここにある記憶を見ろっていうことだろうか?。
でも私は外の世界がどうなっているかも、現実のみんなが何を仕出かしてきたかも粗方知ってる。
今さら新しく知る必要のあることなんてない気もするけど……。
さっきの千秋ちゃんの件だって、悲しいのは確かだけど私には何も関係ないことだ。
日向くんが予備学科でみんなのクラスメイトじゃないってことも以前のコロシアイのときに判明してたことだし。
それとも重要な記憶をまだ見れてないとか……?。
しばらくそんなことを考えながらふと顔を上げると、目の前の景色は白色ではなくなっていた。
『…………え?。』
夕暮れの空と建物、立ち並ぶ樹木、野ざらしのベンチ。
先ほどまで見つめていたはずの白い床は敷石で舗装された道になっていた。
見覚えがある。ここは中庭だ。何年も前、毎日のように行き来していた。
『(き……希望ヶ峰学園……!?)。』
いきなりのことで驚いて立ち止まろうとしたが、足は止まらなかった。
体の自由が利かない。同じ歩調で動き続けている。何なら少しご機嫌そうにスキップしている。
視界の端に見えた手足にも違和感を感じた。なんだか茶色い。
プログラム内で今まで着ていた服ではなくなっている。よく見てみるとそれは、かつて着用していた希望ヶ峰学園の本科生の制服だった。
戸惑いとは裏腹に、自分の口角は上がっている気配がする。
痛々しくも美しい斜陽を浴びながら、にこやかに中庭をスキップで通過しようとしているようだ。
『(何これ……これも誰かの記憶?。まさか、私の……?)。』
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