• テキストサイズ

スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第36章 chapter6 ④遠いあのとき


『(十神くんは今のと全然違う人に化けてるっぽいな。体型ですぐ分かるけど……)。』
他にも授業風景や学校近くの商店、寄宿舎など在学中の諸々の記憶が現れた。
たまに崩壊した街並みや赤黒い空、5人の小学生にめちゃくちゃにされている記憶なども映る。
色々見ることが出来たが、被験者の彼らは概ね同じ学級のクラスメイト同士だったみたいだ。
そういやプログラムに入る前に見た資料にもその辺りの情報が書いてあったような気がする。
『あ……千秋ちゃん。』
夕暮れの中庭で、ベンチに座ってゲームをする横顔が映る。
一瞬こちらを見て微笑むと、その映像はすぐに見えなくなってしまった。
いつかの放課後だろうか。制服姿の彼女は誰かと通信対戦でもしていたらしい。
あれは誰の記憶だったんだろう。
『…………えっ?。』
何か違和感を感じて立ち止まった。
どうして千秋ちゃんが在学時のみんなの記憶の中にいるの?。
"生徒役"はみんなの潜在意識から抽出された「リーダーに相応しい人格」の理想を元に作り出された架空の存在である……と聞いている。
モノミちゃんは現実世界の仲間がデザインしたキャラクターであり、千秋ちゃんは複数人の無意識下を合わせてアトランダムに生成されたNPCだ。
人工知能のおかげで2人とも本物の人間と相違ない言動をしているけれど……それでもこのプログラムの中だけの存在のはず。
しかしこうして誰かしらの記憶の中にあるということは、結論は1つしかない。
『千秋ちゃんって実在したんだ……!。』
思わず顔が綻んだ。協力者かつ友達である彼女のモデルとなった人物が現実世界に居る。
どこにいるんだろう。ぜひ会ってみたい。やっぱりプログラム内の千秋ちゃんと中身もそっくりなんだろうか。
そう色めき立ったのも束の間、目の前に新しい映像が浮かび上がった。
『……………は?。』
暗がりの中、床に大きな血溜まりが見えた。その上に、誰かが倒れ込んでいる。
よく見覚えのある色素の薄い髪が、血に染まって真っ赤だ。
それを呆然と見つめる誰かの手には彼女が付けていたであろう戦闘機を模したドット絵の髪留めがあった。
『あ……あぁ、ウソ……。な、なんで……。』
動かない彼女の体を見つめる視界がぼやける。
/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp