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第36章 chapter6 ④遠いあのとき


白くだだっ広い空間をモノクマに言われたように歩いて行っているけれど、どこかに辿り着く……とかそういうことは今のところ特にない。
途中で"特権"で出られないかも試してみたけど出来なかった。
『…………。』
歩いていると、時折なにかが一瞬だけ視界の隅に入ることがある。
浮かんでは消えるそれらは、日常や非日常のほんの一部を切り取った映像のようで、不明瞭ながら親しみのある風景だった。
進んでみて分かったことと言えば、この空間はみんなから取り除いた記憶の保管所ということくらいだ。
先ほどから明滅するように現れる幻覚のような映像の内容から、そう考え至った。
希望ヶ峰学園の茶色い学生服に身を包んだ生徒たちや、見覚えのある校舎などの場景が一人称視点で展開されている。
そして勿論……血にまみれた惨状や暴力と破壊が蔓延る退廃的なものもあった。
何もかもが見える訳ではないけれど、何があったのかはよく分かる。
平和で穏やかだった彼らの学園生活は、ある人の影響で何もかも台無しになってしまったんだ。それこそ、記憶でも奪わなければ取り返しのつかない程にまで……。
それにしても、希望ヶ峰学園での在学からプログラムに入る直前までの数年間のみんなの記憶が保管されているってことは分かったけれど、どうしてそんなところに私は来てしまったんだろうか。
意味のあることなのか。それともバグなのか。
モノクマは私が進んでここに来たと思っていたらしいから、モノクマの意図ではない。
どうやったら他のみんなの場所に行けるんだろう。
ここで何が出来る?。
ただの記憶の保管場所だ。それ以上でもそれ以下でもない。
空中に漂うように存在するそれに触れてみようともしたが、どれもすぐに霧散してしまう。諦めて素通りすることにした。
ズカズカと歩きながら、果てのない景色の先へと進んでいく。
歩いているだけじゃ出口なんて見つからないんだろうけど、今は歩く以外の策がない。
疲れない程度に足を動かしながら、時々ふっと現れる記憶を眺めた。
『(……あれは花村くんの記憶かな)。』
手料理を教室のみんなに振る舞っている。嬉しそうなみんなの表情が鮮明に映し出された。
『(こっちは……終里さんか)。』
視界の下方にいつも谷間が入り込んでいる。胸大きいとこんな感じなのか……。
島で何度も見たアクロバティックな動きを一人称視点で見れたのは少し嬉しい。
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