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第35章 chapter6 ③蟶�望繝カ峰蟄ヲ園


日向を見ながらアルターエゴはもじもじと申し訳なさそうに言う。
「でも、ごめんなさい……外の事情は僕にはよくわからないんだ。僕はあくまで……新世界プログラムの管理人に過ぎないから」
「………………」
日向はアルターエゴの話を理解しようと、内容を飲み下そうと、冷静に把握することに努めたがやはり事実として受け入れることができなかった。
与太話ならまだわかる。まるでフィクションの世界のようだ。
「(新世界プログラム……仮想世界……)」
先ほど2階で見たタブレット端末の内容を思い出す。
サイコセラピー機器がどうの、共感覚がどうの、置換がどうのと書かれていた。
自分達は今、その装置に掛けられているのではという不安がまた背筋を這い上がってくる。
「(そもそも……ここはフィクションの世界だって話か……)」
あのとき感じた絶望感を今回は少しだけ落ち着いた心地で振り払いながら、それでも日向は信じられない気持ちでいた。
「(ここがフィクションの世界なら何だ? ここで起きている事も……それを信じられないって気持ちも……この現実感のなさも……すべての謎や真実も……俺自身すらも……所詮はフィクションなのか……?)」
だとしても日向は知らなければならないと思った。
この世界についても、自分達自身についても。
気持ちを割り切れないまま、アルターエゴに問いかける。
「……なぁ、教えてくれるか? "新世界プログラム"ってのは何のためのプログラムなんだ?」
「新世界プログラムの目的は、たった1つだけだよ……。これを使って……現実世界を素晴らしいものにする事。希望を為すためのプログラム……ってところかな」
「希望を為すためのプログラム……? だけど、俺達がここにいるのも、俺達の記憶がなくなってるのも……全部そのプログラムのせいなんだよな?」
南国に軟禁されているのも、記憶を奪われたのも希望の為とは言い難い。
日向が訝しげに聞くと、アルターエゴは静かに目を伏せる。
「記憶の消去は……記憶を置換するための前段階なんだ。"記憶情報の置換"っていうのは、"新世界プログラム"の特性の1つなんだよ。搭載された記憶制御装置を使うことで、設定した期間の記憶を取り除くことが可能なんだ。そして、そこに……仮想世界で得た記憶を埋め込むんだよ」
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