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第35章 chapter6 ③蟶�望繝カ峰蟄ヲ園


「やっぱ、開かないよな……」
仲間に似たデザインの絵が掲げられているからといって、都合よく開くなんてことはなかった。
溜め息を吐きながらドアノブから手を離す。
直後、背後で物音がした。重く硬い小さいものが床に落下したような音だ。
「……?」
振り返って見ると、そこにはキーホルダーのようなものが付いた鍵が落ちていた。
拾い上げて確認すると、鍵に付いているのはアクリル棒だった。色付きの透明な角柱で、なんだか古くさいデザインだ。
どこから落ちてきたんだろう。
日向がおもむろにアクリル棒の文字を見ると、そこには希灯の名前が刻印されていた。
「……まさか!」
希灯に似たドット絵のドアに目を向ける。
開かない個室と名前入りの鍵。試さないわけにはいかない。
日向は手に入れた鍵をいそいそと鍵穴に挿し込み、そのまま鍵を回す。
カチャリ、とどこか心地好い手応えを感じて鍵が開いたと確信した。
「希灯……?」
ノックをしてからドアノブを捻る。今度こそ抵抗なく回転したノブをゆっくり押すと、室内の光が廊下に細く漏れた。
開いたドアの隙間をそっと広げながら部屋の中を覗く。短い通路のその奥に、ベッドの端らしきものが見える。
中に入ってみると、その空間は意外なほどに質素なものだった。
少し大きめのベッドや勉強机、丸いテーブルにゴミ箱、希灯の名前が書かれたディジタルディスク、簡易鍵付きのシャワールーム。それがこの部屋の全てだった。
人の気配がしない。あまり生活感のない場所だ。
何か無いかと机の引き出しを開けてみると、裁縫セットが入っていた。希灯のものだと思って持ち上げてみたが、使われた形跡がない。
裁縫セットと一緒に針で人を刺し殺すためのマニュアルが出てきたのを見て、モノクマが用意したものだったと日向は少し落胆した。
今のところ、この部屋が希灯に関係あると思えるものがドアのドット絵と部屋の鍵と1枚のディスクしかない。
工具や材料で溢れていた希灯のコテージとは大違いだ。
溜め息を吐きながら、部屋の中央にあるベッドに腰かける。
「もしかしたら、希灯がいるかもと思ったんだけどな……」
部屋が開いたときにほんのわずかに抱いた期待は外れてしまった。
行方不明になってしまった仲間のものらしき部屋だったが、使用感もないし誰も居ない。
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