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第35章 chapter6 ③蟶�望繝カ峰蟄ヲ園


「とりあえず、誰か呼んできた方がいい……かも? 少し待っててね」
そう言って七海がその場から立ち去っていく。
不安な心地で日向がそれを見送っていると、狛枝が話しかけてきた。
「……どうせなら、廊下の奥まで行ってみたら? なんで予備学科の日向クン1人しか入れないのかは分からないけど、キミしか入れないならキミが行って何があるか確認するべきだよね」
冷めた目付きで見やる狛枝に何か言い返したくなった日向だが、確かに自分が見に行くべきだとも思えた。
「わかった、行ってくる。一通り確認できたらまたここに戻ってくるから」
「ボクも他の人を呼んでくるよ。せいぜい気をつけてね」
そう言い残すと、狛枝もさっさと歩いていく。
通路を曲がって姿が見えなくなってから、日向はようやく後ろを振り返ることにした。
「…………」
目の前には暗い通路が伸び、その先は何も見えない。
踏み出せずそのまま奥に続く闇を見つめていると、背後から生暖かい風が流れてきた。
背中を押すように、撫でるようにどこかから吹いてくる。
廊下の奥へと誘われている気分になったが進む気にはなれず、その場でたじろいでしまう。
ふと、風が通り過ぎたその先に誰かが立っているような気がした。暗闇の中の気配がこちらを見据え、やがて踵を返し廊下の奥へ消えていく。
そんな姿が見えたような気がした。
「希灯…………?」
思いがけず、日向はそう口にする。
何も見えない闇の中、あの気配が本当に人だったのかさえ分からない。けれど日向は無意識に今のは希灯誉稀だったのかもしれない、と思い気配を追いかけた。
右も左も、通路の壁さえ分からない道を走っていく。
足音の反響からしても、いかにも長そうな通路だ。そう考えながら先の見えない通路をまっすぐに進んでいく。
しかし、十数秒もしないうちに日向は拓けた眩しい場所に出た。
「……?!」
いきなり変わってしまった景色に日向は驚いて立ち止まる。
通路の先に光が見えたわけでも、通路の終わりを予測できたわけでもない。
本当に突然、まるで居場所が切り替わったかのように周りの状況が一変した。
「な……何なんだよ……」
目眩に似たような感覚に陥りながら日向はまた歩きだす。
今度は警戒心からか、ゆっくりとした歩調で周囲を見て回った。
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