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第34章 chapter6 ②社会科見学
モノミを除くこの場の全員が席に立った。
しかし、完全には埋まってはいない。違和感から、自然と1つの箇所に目が行く。
皆の視線を一点に集中させているのは、ぽっかりと空いた一席だった。
「…………希灯サンは?」
狛枝が呆気に取られたような口調で広間を見回す。同様に全員が辺りに注意を向けたが、誰一人として希灯誉稀を見つけることはできなかった。
「希灯さん、どこでちゅか?! 居たら返事をしてくだちゃーい!!」
「えっ……ええっ? た、確かに遺跡に入るまで希灯さんも一緒にいましたよねぇ……?」
「この広間に隠れる場所なんてなさそうだし……あいつ、遺跡に入らなかったのか?」
「でも希灯サンは直前までボクの横に立ってたし、離れた気配なんかもなかったよ」
確実に遺跡に入る間際まで皆と共にいた、と証言が上がる。
「まだ外におるんなら呼んでくるかのぅ……無ッ?! 出入り口がないぞっ!」
「は? そんなことあるかよ!?」
希灯も一緒に遺跡の中に入ってきたはず。けれど姿がない。おまけに入ってきたはずの扉もない。
いつの間にか消えてしまった仲間と出入り口に、一同は戸惑いを越えてパニックを起こす寸前になっていた。
先ほどとは打って変わって不穏な空気が場を支配する。広間に閉じ込められてしまった皆は成す術もなく、ただその場に留まることしかできなかった。
やがて空間にノイズが走る。
たちまち全員の意識は混濁し、誰もそれを自覚できないまま何らかの干渉を受け、遺跡の中から1人残らず消え失せてしまった。