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第34章 chapter6 ②社会科見学


遺跡の内部に入ったところで、ある違和感を覚える。
その違和感が何なのか分からないまま、日向たちは周囲を見回していた。
円形の広間の中心に大きな円卓が設置されている。
壁際には花崗岩らしき巨大な四角い装材が広間を囲うように無造作に積み重ねてあった。
「なんだ、この空間は……」
「変なとこっすね。唯吹たちは一体ここで何するんっすか?」
「狛枝おにぃ、前ここに入ったって言ってたじゃん。何か分かんないわけ?」
数日前、遺跡の中に爆弾を隠したと告白した狛枝に注目が集まる。
「ボクも詳しくは知らないけど、とりあえず円卓を見てみなよ」
狛枝が移動し、円卓のとある一角に立つ。
皆はそこに近寄って狛枝の云わんとすることを確認した。
「あ……名前があるね」
七海が呟く。狛枝が立つ場所には、「狛枝凪斗」と書かれたプレートが取り付けられていた。
「なんでオメーの名前があるんだ?」
「ボクのだけじゃない。皆の分もあるよ」
1つの区画につき1つの名前がある。証言台のようなそれは17基あり、弧状に並べられ1つの円卓になっていた。
「わたくしたち全員の分が……? 一体なぜこんなところにこんなものがあるんでしょうね」
困り顔のソニアが自分の席を探しながら苦笑いを浮かべる。
「何が目的だ……まさか俺様たちを一ヶ所に集めて一網打尽にする裏切り者の罠か?」
「罠だなんて! 未来機関はそんな事しまちぇんよ!」
「でなければ何故このように皆々で円を組んで向かい合わねばならんのだ。儀式で亜空間でも喚び出しワームホールで脱出でもするつもりだとでも言うのか」
田中は黒ミサの様式を思い浮かべ、邪悪に両腕を広げた。肩に乗るハムスターたちもまた主を真似て腕を上げている。
「とりあえず……席に立ってみようよ。何かが起こるかもよ? ……多分」
七海がそう呼びかけ、各々が自身の立ち位置を見つけようと動き出した。
「日向おにぃ邪魔~!! おにぃのせいで小泉おねぇと離れちゃってるじゃん!」
「俺のせいかよ……仕方ないだろ、ここに俺の名前が書いてあるんだから」
「まあまあ、日寄子ちゃん。今は我慢。ね?」
「ウフフっ! 両側とも女の子だ! ムフフっ!」
「やい花村、そこを代われ! 弐大でもいいぞ」
「あまりはしゃぐな。何が起こるか分からないんだぞ」
空間に少し慣れたのか、やいのやいのと浮かれ気味なやり取りが交わされる。
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