スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys
第33章 chapter6 ①遺跡の中へ
物騒な予想を立てる狛枝くん。信用されてないのは百も承知みたいだけど、私たちも狛枝くんのメッセージで聞いたパスワード以外にすがるものはない。
遺書代わりに残されたメッセージで教えられた唯一の手がかりが嘘だった、なんて想定はしたくてもできないだろう。そんな余裕ないんだから。
『そう言えば、メッセージの最後…………。』
超高校級の希望について言いかけ、ふと口をつぐむ。
……私は狛枝くんに何が訊きたいんだろう?。聞いてどうするんだろう。
「何、希灯サン?」
『……ううん。やっぱ何でもない。』
投げようとした質問はあまりにも中身が、目的があやふや過ぎる。私の心中のモヤモヤの原因と、狛枝くんの掲げた展望は、名称が同じなだけで全く関係がない。
変なことを言うのはやめておこう。
『ほら、縄解くよ。早く行かないとみんなを待たせちゃう。』
狛枝くんの上体を起こし、結び目を弄る。めちゃくちゃに結ばれていて厄介だ。
「はは……キミはボクのことなんて興味ないのに、結構よく気にかけてくれるよね。この前だってここで食事をさせてくれたり、体を拭いてくれたりしてさ」
『まぁ、一応……やるべきだと思ったから。』
そういや狛枝くんの頭に牛乳かけちゃったんだっけ。ネズミー城の橋から海に投げ落とされたことを根に持ってたけど、私も既にやらかしてたからお相子ってことにしておくか。
「未来機関の仕事だから立場上仕方なくってことかな? 悪いね、ボクなんかが何度も手を煩わせることになっちゃって」
濁した部分を全部補完されてしまった。
でも狛枝くんには誤魔化す必要も否定する必要もないから、かえって気が楽だと思えた。ほんの少しだけだけど。
『っ……はぁ、全然ほどけない。ハサミ探してくるからちょっと待ってて。』
確か十神くんが危険物を回収したジュラルミンケースがすぐそこの事務室に置きっぱなしだったはず。
早々に素手を諦めて広間の外に出た。と、足元に何かの気配を感じて下を見る。
「ほわっ! 希灯さん、い、今さっきの会話……先生の聞き間違いでちゅかね? 未来機関の仕事がどうとかって……聞き間違いでちゅよね?」
私の顔を見上げながら慌てた様子で両手を上げるモノミちゃん。