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第33章 chapter6 ①遺跡の中へ


「超高校級の希望」と聞いて思い浮かぶ人物は2人いる。
1人は苗木くん。コロシアイ学園生活に終止符を打った同級生。
もう1人はイズルくん。私の夢に出てくる、ありとあらゆる才能を持った架空の人間。
私にとっては、その2人だけが超高校級の希望と呼ぶに相応しい存在だ。
終わりの見えない絶望から救いだしてくれた恩人と、才能に愛された超人的な天才。唯一無二の、特別な人たち。
狛枝くんにとっての超高校級の希望がどういったものかは知らないけど、少なくとも狛枝くんは希望の象徴には成り得ない。
超高校級の絶望の残党たちを自分ごとまとめて屠る行為なんて偉業でも希望でもない。たしかに誰にでもできることではないけどね。
狛枝くんの計画であの肩書きを欲しがるのは正直おこがましい願望だったと思う。
遺言代わりのメッセージだし大それたことを言いたくなっちゃったのかな。
『(だとしても……聞きたくなかったよ)。』
複雑な心境で旧館の扉を開けて通路を進む。
前にも狛枝くんに会いに旧館へ立ち入ったことがあったな。朝食をあげるためだったっけ。
2週間くらい前のことだけど、つい昨日の出来事のようにも遥か昔の思い出のようにも感じる。
良くも悪くもない、妙な会話の記憶が少しだけ鮮明になった。
『狛枝くん、入るよ。』
広間の扉の前に立って何回かノックすると、狛枝くんの声が返ってきた。
「いいよ」
了解を得たものの一瞬ためらって、それから控えめにドアノブを押す。
隙間から見えた狛枝くんはやっぱり縛られたまま床に転がっている。
それを確認してからようやく広間に入った。
『おはよう。元気?。』
「……まあね」
縛られた自身を見やりながら頷くと、狛枝くんは私に顔を向けた。
「何の用かな? 朝食じゃあなさそうだね」
手ぶらで来た私に対して狛枝くんが用件を聞く。朝食について触れたものの、狛枝くんは別段お腹を空かせている様子ではなかった。
『遺跡に行くからついてきて。みんなももう向かってるんだ。』
「……最後のメッセージを見たんだね。それで、ボクも一緒に連れていくなんてどういう風の吹き回しかな? ボクに入力させて、パスワードが間違ってたときガトリング銃の的にするためとか?」
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