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第31章 chapter5 ④おさらい


『よし、切れた!。』
急いで狛枝くんの手を引き立ち上がらせ、倉庫の隅に移動する。
もうすぐスプリンクラーが作動するからそれまで堪えないといけない。
「……希灯サン」
『何、……ッ?!』
カーテンの火を窺っていると、突然狛枝くんが自身の服の袖で私の鼻と口を覆った。
「ボクの袖なんかでゴメンね。でも煙に毒が混じってるから……」
『それはそうだけど……』
モゴモゴとくぐもった声で返す。
いつの間に狛枝くんの左手は私の背中に回されていた。私が驚いて煙のある方に逃げないように予め抱き寄せていたらしい。
『……狛枝くんも煙吸っちゃうよ。』
「両手塞がってるからね」
右か左の手を離したり私自身に鼻口を覆わせればそれで済むことだろうに。そうする様子はない。狛枝くんは自分より私を優先しているようだ。
そうまでされたら、私も何もしないわけにはいかない。
『ちょっと失礼。』
手に掴んだ服をグイッと捲し上げ、狛枝くんの顔を塞ぐ。
上げた両手が持っているのは白くて薄いシャツだ。近くに掴める服が丁度これだった。
「はは……大胆だね」
見上げながら鼻と口を手で探って覆うと、狛枝くんがそう言った。
『えっ何が……あ、ああ、ゴメン。』
視線を下げると、目の前一面に狛枝くんの肌が露になっていた。そこまでは考えてなかった、と驚きとっさに離れようとする。
「ダメだよ。ほら、ボクの口を塞いでくれるんでしょ?」
そう言われ更に抱き込まれ、完全に身体が密着した。
顎や上半身に狛枝くんの素肌が当たっている。わりと筋肉がついてて、触れている部分にやたらと熱を感じた。
どうしよう。お互いを助けるためとはいえ、こういうの慣れてないんだ。
心臓の音がすごい。私のも、狛枝くんのも。
やがてスプリンクラーの音が聴こえ、しばらく待っているとカーテンの向こうからモノクマが現れた。
「やあやあ、お熱い仲だねオマエラ。換気するからもうちょっとそのままで居てね」
『…………。』
見られた。モノクマがこの島の全てを、もちろん倉庫に来る前から私たちの状況を知っていたとはいえ、直に見られるとどうにも気恥ずかしい。さっきより気まずい。
「助かったね」
『うん……。』
こちらに顔を向けた狛枝くんに、どことなく居心地が悪くてそっぽを向いて返事した。




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