• テキストサイズ

スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第31章 chapter5 ④おさらい


『…………。』
余計なこと言っちゃったなぁ。でも絶望を用意するって言葉で、私の以前の記憶を否定されたような気になったのがムカついて捲し立ててしまった。否定も何も、そもそも狛枝くんは知らないから仕方のないことなのに。
呼吸を整えながら、狛枝くんの上から退くために立ち上がろうとする。
「希灯サン、大丈夫?」
狛枝くんが右手を私に差し出してきた。
『大丈夫。色々言ってごめん。』
右手を避けながらそう返すと、狛枝くんは更に右手を伸ばしてきた。
「でも、ほら……涙出てるよ」
言われて初めて気が付いた。慌てて拭いながら狛枝くんから立ち上がる。
『別に泣いてない。』
何だか恥ずかしい。散々勝手に喚いて、しまいには泣き出すなんてヒステリックだ。
しっかりしなきゃ。
『……縄外すね。』
気まずさを誤魔化すため狛枝くんの手足の縄を切ろうと自分の近くに置いていたナイフを拾い上げたその時、倉庫のドアの方から大きな音がした。
続いてパタパタと連続で何かが倒れる音がする。
以前と同様ドアが蹴破られ、並べられていたモノクマパネルがドミノ倒しになったんだ。
ドアの前にみんなが集まっていたのに、喋っていて気が付かなかった。
『あっ、ライターが!。』
思い付いたときにはもう遅かったようで、既にカーテンには火が移ってしまい鎮火できそうにない勢いで燃えていた。
先にオイルライターを取っておけばと後悔するも、今はそれどころではないと気を取り直しナイフを左手の縄に当てる。
意外にもスパッとは切れず、押すか引くを繰り返してやっと切断できた。
「なんだ? 燃えてるぞ!」
「給湯室に消火弾があったはずです! 取りに行きましょう!」
ドアの向こうからそんな声と共に走り出す複数人の音がする。
まずい、まずいぞ。消火弾の中に毒薬が入ってるんだ。
急いで両足の縄に取りかかる。
「ごめんね、希灯サン」
上体を起こした狛枝くんが気まずそうに笑いつつ、切るのに手こずっている私に声をかけた。
『ねぇ、縄ピンってして。』
焦りながら狛枝くんの左脚を手で押し、縄を引っ張るよう催促する。脚を曲げさせ縄を切り、残るは右足の縄だけだ。
「おーし、いくぞ!」
終里さんの声がする。他のみんなの声もだ。早く切らなきゃ。
近くでプラスチックの勢いよく割れる音が次々に聴こえてきた。カーテンが投げ付けられた消火弾を受け止めて揺れる。
/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp