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第31章 chapter5 ④おさらい
「ちょっと待って、一体……何の話?」
『私は既に絶望を乗り越えかけてるんだよ。たくさんの死を見てきたから、その分だけみんなの死を回避できた。明日以降のことは知らないけど……私はここまで来れたんだ。誰も死んでない5回目のコロシアイまで。本当なら今日が終わる頃には残り6人だったはずなのに。』
わかってよ。私はとっても苦しんだし、みんなだってそうだった。痛かったし辛かったし恐かったし嫌だった。何をしたってモノクマの掌で踊らされ続けてたんだ。仮初めの日常も、意味の分からない動機も、見たくもない死体も、難解な裁判も、その後のおしおきも、全部全部最低最悪で大嫌いだった。私たちは充分すぎるほどに絶望を味わってきたんだ。
『みんながどうやって殺されていったか全部言えるよ。何でかって裁判で聞いたから。私は聞いてるだけだった。みんなの役に立てなかった。犠牲にはならなかったけど何の貢献もしなかった。そんなのイヤなのに、私は何も出来なくて……。』
それを償うために、私は最終手段に手を出した。
『だから今度こそは自分の力でみんなを守るって決めたんだ。この島の絶望は私の記憶の中にある。君達が知らなくても、確かにあったことなんだ。狛枝くんの欲しがってる希望のための絶望はもうずっと前から私に、私たちの身に降りかかってるんだよ。』
気が付けば私は狛枝くんの上に覆い被さっていた。
口から出てくる言葉は止めどなく、どうにも抑えが効かない。独りよがりな恨み言だと分かっているのに、こんなことを言っても納得してくれるわけないと思ってるのに。
秘密を知ってもらいたかった?。それともただ鬱憤の捌け口にしたかっただけ?。
どっちにしたって今のこの状況を私は想定していなかった。
『私は諦めたくない。どんなにモノクマや君や他のみんなが何か悪いことをしようとしてたって、絶対に食い止める。私が殺されない限り必ずやり直して止めにいく。どんな事があったって最後までやり遂げるよ。私の希望は全員を生きてこの島から出すことなんだから。何があろうと、私はみんなの命を決して諦めない。』
「希灯、サン……?」
息が苦しい。喋りすぎた。
『もう絶対に、誰も……。』
軽い酸欠と眩暈を感じる。目の前の狛枝くんがぼやける。
『……絶対に誰も、死なせたくない。』
ハァハァと息切れが続く。もう喋れない。でも、これでようやく落ち着いた。