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第29章 chapter5 ②ネズミー城
「心配なんすけど、もう3人とも何処行ったか分かんないんっすよー……」
項垂れながら唯吹ちゃんがホテルの出口に目を向けた。
「今、十神たちが助けに入ってる所なんだけどロビーもそこまで広くないし、一編に入ると混み合って危ないから待ってろって言われたんだ」
言いながら真昼ちゃんが心配そうにホテルを見つめる。
焦げ臭い煙がここまで来ていた。
「あっ! 誰か出てきたよ!」
ヒヨコちゃんがロビーの入り口を指差す。
十神くんとペコちゃんが各々作戦のメンバーを担いで出て来た。
みんなで駆け寄る。
「大丈夫か?!」
救出された日向くんと左右田くんは気絶していた。
今度は弐大くんが終里さんを庇いながら出てくる。
4人ともススまみれになっていたけど、大きな怪我はしてないみたいだった。
「お前さんら……狛枝の姿を見とらんか?」
「アイツがロビーに爆弾を仕掛けやがったんだ! ゲホッ……おかげでロビーも俺らもメチャクチャだぜ」
終里さんがロビーから漏れだす黒煙で咳き込みながら言った。
「狛枝なら、丁度あたしがコテージから出た時にソニアちゃんと田中が追いかけてホテルの外の道に出て行くのを見たけど……」
言いかけた時、ホテルの外の道からソニアさんと田中くんが入ってきた。
「すみません……見失ってしまいました。このソニア、一生の不覚……!」
「気を負うでない我が眷属よ。奴の逃避はこの氷の覇者である俺様の魔眼でさえ捉えきれなかったのだ……奴め、さては空間移動の魔術を司るウィザードではないか」
そう報告する2人とも、ひどく息が上がっていた。悔しそうにしながら浅い呼吸を繰り返す。
「そうか、無事で済んだのならそれでいい。……皆、今の狛枝はとても危険だ。もし見つけても刺激するような事はするんじゃないぞ」
十神くんがみんなに注意を促す。
確かに危険だね。私なんて海に投げ込まれたんだよ。
「……ふ、ふえぇ、救急セットお持ちしましたああぁぁぁ!」
コテージの方から箱を抱えた罪木さんが走ってくる。
罪木さんだけ一旦自分のコテージに戻って手当てに必要な道具を取りに行ってたみたい。
「ひゃあ………っ!!」
走る足が縺れてしまった罪木さん。それにいち早く気付き助けに、もとい触りに行ったのが花村くん。
手から離れて宙を舞った救急セットを寸での所でキャッチしたのが真昼ちゃんだった。
「うゆぅ、す……すみませぇん………!」