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第29章 chapter5 ②ネズミー城
散歩気分で歩いて、4番目の島にあるネズミー城の前まで来た。
遠目から見ても扉は開いてなくて、特に何の期待もせず扉に近寄る。
ノブに手を掛けるが、鍵がかかっているようでビクともしなかった。
『やっぱり、まだ開いてない……。』
本当に、ここはいつのタイミングで開いたんだっけ……?。
全然思い出せない………。
それに狛枝くんが開けたってことしか知らないし、鍵なんて何処で手に入れ………え?。
ふいに、以前の時の光景がフラッシュバックした。
破壊された扉。焼け焦げた外壁。奥へと続く暗がり。
…………そうか。今の今までネズミー城の扉が鍵で開けられたなんて勘違いをしていた訳だ。
本当は、狛枝くんの持ち出した爆弾で……この後に、ドカーンって……………………。
人の気配を感じ、ゆっくり振り返る。
『……………。』
白いもしゃもしゃの髪の毛が風に揺れるのが見えた。
「やぁ、希灯サン。奇遇だね?」
口角だけを上げ、ニコリと笑う。
その仕草がどうにも不気味に思えるのは、きっと目が全然笑ってないからだ。
私は思わず後退りしてしまう。
後ろは壁だった。まだ開いてない、ネズミー城の扉が背中に当たった。
戸惑っている間にも、狛枝くんはこちらに向かって歩を進めている。
狛枝くんは珍しくポケットに手を突っ込んでいた。
妙に大きな物が入っているらしく、歪な形に変形したポケットから中身が飛び出さないように手で押さえているようだった。
…………爆弾だ!。
見たことがあるわけでもないのに、自然とそう思えた。
爆弾と狛枝くん。とても嫌な組み合わせだ。
だって悪い予感しかしないから。
『……き、奇遇だね。狛枝くんはどうして、こんな所に……?。』
物理的で露骨な危険を感じながら言葉を返す。
「希灯サンこそ。ここは鍵が掛かってるから入れないんだよ。それとも……開ける鍵でも持ってるのかな?」
扉に吸い付かれたように動けないままで、とうとう目の前まで来た狛枝くんが覆い被さるように私を見下ろした。
「ねぇ、今回は"予知夢"見ないの?」
『…………っ。』
緊張から生唾を飲み込む。
「予知夢」は最初のコロシアイを止めたときの口実に使った言葉だ。
狛枝くんは私が適当な嘘を吐いて本当の理由をはぐらかしたんだと察している。
しかも私が何か不思議な方法を用いて先を読んでいる、と考えているらしい。