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第28章 chapter5 ①最後の島
「……まぁいいや、とりあえずキミは希望側なんだし。……カレらとは違ってね」
狛枝くんは後半の言葉の声のトーンをかなり下げていた。あれは何かに対して辛く当たる時の口調だ。
「………どういう意味?」
「さっきから訳の分からんことをゴチャゴチャと……はっきり話さんかい!!」
「てゆーかそのファイル持ってるなら早く見せなさいよ、気の利かないチリ毛ゴミ虫!」
言葉の全容を把握出来ないのが不服で、含みのある言い方ばかりする狛枝くんにみんなは口々に不満をぶつけた。
「見せないよ。モノクマからもらったファイルには色々と重要な事が書かれてるし……それにボクはその情報をもらう程のことを成し遂げたんだから、ただ突っ立ってただけのキミらにホイホイ見せるなんて事はしたくないんだ」
残念そうな、諦めたような顔付きで狛枝くんは再度溜め息を吐く。
「キミらにはボクの苦悩なんか分からない……。真実を知るっていうのは………それはそれで辛いもんだよね」
「真実……? 真実って……お前は何を知ったんだよ?」
日向くんが椅子から立ち上がる寸前のように身を乗り出して狛枝くんに問いかけた。
「聞きたい……? でもね……ボクがそれを話すのは、裏切り者の正体が分かった後にしようか」
「………え?」
「実はさ……肝心の裏切り者の正体だけが、まだあんまり掴めてなくて……1人は確信に至れてるけど、もう1人がどうしても…………。けど、それも時間の問題だけどね! キミ達は………安心していいよ……。裏切り者の正体は、ボクの命に代えてでもあぶり出してみせるからさ!」
声高らかに狛枝くんはみんなに不穏な宣言をした。
「裏切り者をあぶり出すだと……?」
「で、ですから、言ってるじゃないですか! 裏切り者なんているはずないって!」
ソニアさんが考えを曲げずに狛枝くんに食ってかかる。その表情は内心の不安が滲み出ていた。
「ケッ、どうせオメーが手を挙げて「裏切り者はボクでーす!」なんて言うオチだろ」
「あははっ! 相変わらず左右田クンは面白いね! だけどさ……もし、この島の絶望をすべて取り払えたら、ボクはなれるのかな? 超高校級の希望に……なれるのかな?」
「超高校級の希望……?」
『………………。』
「超高校級の希望」と聞いて、2人の人物が思い浮かぶ。狛枝くんの言葉に対して私は静かに歯を軋ませた。