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第28章 chapter5 ①最後の島
『…………イズルくん…。』
自分の声で目が覚めた。
私の体勢は珍しく掛け布団を抱きかかえている状態になっている。
夢の内容がやけに鮮明に頭に浮かんだ。
イズルくん……また夢に出て来た。
結局どこの誰なんだろう?。
まるで過去を思い出してるような感覚なのに、記憶をどんなに手繰ってみてもあんな人は1ミリ足りと存在しない。
何回も夢に出てくるのに、実在しないなんてことあるのかな。
『……まぁ、いいか。』
そんなことよりレストランに行こう。
5番目の島にも今日行けるはずだし、みんなそろそろ集まり始めている頃だろうし。
レストランに入ると、ちょうど花村くんが厨房から料理を運び出しているところだった。
それを真昼ちゃんとペコちゃんが手伝っている。
『おはよう、ヒヨコちゃん。』
頬杖を突いて料理が来るのを待っているヒヨコちゃんの隣に座る。
「ちょっと、何でアタシの横に座るのよー! あんたみたいな裏切り者候補が気安く隣に来ないでくれるー?」
ピョンと席から飛び退いて、ヒヨコちゃんは私からジリジリと離れた。
『ひどいなぁ……。疑うのは別にいいけど、私は何にもしないから怖がらないでよ。』
手招きしてもヒヨコちゃんは威嚇する仔猫みたいな反応しかくれなかった。
「日寄子ちゃん、誉稀ちゃんに酷いこと言っちゃダメでしょ?」
お皿を並べながら真昼ちゃんがヒヨコちゃんを嗜める。
「でも、おねぇ……」
「朝から諍いを起こそうとするんじゃない。それに希灯が裏切り者かどうかの話は昨日決着がついただろう」
ペコちゃんが続けてヒヨコちゃんに言う。それだからヒヨコちゃんは不満そうに頬を膨らませた。
「コイツが裏切り者じゃないっていう決定的な証拠はないじゃん! 裏切り者じゃないって言われたって簡単に信じられるわけないでしょ?」
ヒヨコちゃんは真昼ちゃんの背中に隠れ、私とペコちゃんを軽く睨んだ。
『……疑うならそれでいいって。どっちにしろ、私が何を言ってもちゃんとした証明にはならないんだし。』
立ち上がって、テーブルの端に積まれた人数分の取り皿を配る。話を終わらせるためだ。
蒸し返したらまた面倒な問答が始まるに決まってる。
朝からそんな話なんてして堪るか。
喋るのを止め、食卓の準備を黙々と始めると3人も流されるようにそれぞれのしていた作業に戻る。