• テキストサイズ

スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第28章 chapter5 ①最後の島



『イズルくん。』
「どうしました」
『痛い。』
「そうですか。それは何より」
窓際で、2人の男女が抱き合ってる。
いや、男の人が女を抱き締めてる。
その女とは、例のごとく私の姿だった。
『初めてイズルくんからスキンシップしてもらえて嬉しいんだけど、痛い。死んじゃう。』
「緩めませんよ」
『そもそもどうして抱き締めてくれてるの?。「死ぬのなら僕の胸の中で」ってこと?。キャー、カッコイイ。』
「私」はおどけてみせるけど、その人は何かを考えるような表情で呟いた。
「どうしてですかね。今日を最後にもうあなたとは会うことがなくなる気がしまして。何故か体が勝手にこうしたんです」
『えー、本当にイズルくんと会えなくなるの?。私まだ何回かしか君のところに来てないよ。』
「僕の勘もいくら才能に愛されていようと100%ではないんです。でも才能に愛されている僕だからこそ100%以下でも当たってしまう……」
『それもう100%でいいんじゃない?。』
ただ抱き締め合うだけの2人。
それ以上のことも、それ以下のこともしない。
まるでこれが自然体だとでも言うように、2人の会話は呑気に続く。
『……でもまぁ、何だかイズルくんが言うと説得力あって怖いんだよなー。ほら、イズルくんは超高校級の希望だから「イズルくんが言うなら、きっとそうなんだろうね」って納得しちゃいそうなの。』
「……」
『イズルくん、私ねぇ………。』
「何ですか」
『……いや、次に会えた時に言うよ。イズルくんの勘が当たりませんように。』
「何と言おうとしたのかは予想できます。……あなたは」
『ダメ!。こういうのは自分の口から言いたいの。』
「そうですか。では僕の予想が当たっているかどうか、楽しみに待つとしましょう」
『あはは。イズルくんの楽しみにしてるっていう顔、見てみたいな。』
「あなたにとってはどれも同じ表情に見えるでしょうね」
「私」はどこか寂しそうに、その人はいつもの無表情で。
残りわずかの時間も平穏で取り繕おうと静かに、あくまで穏やかに言葉を交わし続けていた。









/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp