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第27章 chapter4 ④ 君のサイノウ
「それでも、俺はお前らが羨ましいよ……」
沈んだ口調で日向くんは言う。
「胸を張れる自分になりたかったんだ。俺は希灯達と比べればただの一般人かもしれないんだぞ?」
『……もう、分かってないなぁ。ねぇ日向くん?。他人から評価されるのだけが才能じゃないんだよ。』
私は日向くんの肩に宥めるつもりで手を置く。
『まだ発見できてなかったり、他の人から気付いてもらえなかったりするけど、それでも「胸を張れる自分」は存在するんじゃない?。私は日向くんのすごいところ、ちゃんと知ってるよ。』
「俺の、すごいところ……?」
それは何処なんだ?って日向くんはすがるように訊いてきた。
『私からは教えられないよ。大事なことだから、自分自身で探して気付いてもらいたいんだ。』
すると、日向くんは落胆した様子で溜め息を吐いた。
肩に置いた手もゆっくりと払われる。
「自分で探せって言われてもな……」
『大丈夫だよ。日向くんが見つけられなくても、私がいつまでも覚えておくから心配しないで。少なくとも私たちは日向くんの力に救われたんだよ。』
「……俺、何かしたか?」
『してくれたよ。君も、みんなも知らない間にね。』
でも、今の日向くんに学級裁判のこと言ったって分かんないし混乱するだけだろうな。
これ以上は言わないのが確実に得策。
「ただ励ますためだけの嘘じゃないだろうな?」
『違うよ、本当だから信じて。ほら、さっきあげた先生のマスコットの色を見て落ち着いて。癒し効果のピンクだよ。』
日向くんの手の中のモノミちゃんマスコット指差す。
「………あぁ、そうだな」
マスコットを見つめて、日向くんは呆れ顔で軽い溜め息を吐くとその後で微笑を洩らした。
「なんかゴメンな。こんな話するために来た訳じゃなかったんだけど……希灯にも気を遣わせちゃったな。でも、ありがとう。何だか少し気分が晴れた気がするんだ」
そう言って日向くんはマスコットをギュッと握り締めた。
まだ日向くんの心の内に抱えた悩みは完全には消えてないはずだけど、ちょっとでも安心してくれたなら前進したことにはなるのかな?。
『どういたしまして。私も、君の笑った顔が見れてホッとしたよ。』
最近思い詰めた表情ばっかり浮かべてたもんな。
あんまり湿っぽいとみんなにもそれが感染っちゃうから、早く開き直ってくれるともっと嬉しいよ。