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第27章 chapter4 ④ 君のサイノウ


『でも実は、その人は野球選手じゃなくてミュージシャンになりたかったんだって。だけど……私から見るに、その人は音楽の才能には恵まれてなかったよ。』
桑田くんはまだ学園が平和だった頃も、記憶を盗られて学園にみんなで閉じ込められてた頃だって舞園さんを恋愛対象の第一希望にしてたっぽいしなぁ……。
でも、舞園さんは全く興味なさそうだったな。
『彼は一度、学園祭を機会にステージ発表で演奏をしたことがあったんだ。ギターとマイクを使っての弾き語りだったかな。上手だったよ、ずっと練習してたんだって分かるくらい上手かった。……でも、それは「普通に上手」って意味で、つまりは「耳障りな音じゃない」ってことでしかないんだ。』
言い方は酷いと思うけど、お世辞も何もなしで評価するならその程度でしかない。
『彼は結局目指していたミュージシャンにはなれずに終わったよ。そうだね、3学期の末には「やっぱり俺には野球しかないのかな」って進路を考え直してたもん。』
でも記憶盗られてまた、「ミュージシャン目指す」って繰り返してたな……。忘れさせられたんだから仕方のないことだけど。
『私は趣味と才能が同じだったから特にそういう類いの悩みはないけど……いや、もしかしたらクラフトワークこそが私の趣味だって思い込んでるだけなのかもしれない。』
才能にしがみつくことで自分の存在意義を守ろうとしているってのを自覚できないだけだったりして。
もし仮にそうだったとしても仕方がないじゃないか。だって、私には。
『私には、クラフトワークの才能しかないから………。』
他の超高校級の生徒たちもきっと、ほとんどが私と同じ。
「才能」は「取り柄」であって、もし才能を手放すのなら、それは取り柄を失うのとあんまり変わらないこと。
『まぁ、案外才能があるって周りから褒め千切られてる人は自分で人生を選べないのが多いってこと。超高校級の才能を持ってるからって誰もが幸せだとは限らないと思うよ。』
そもそも、希望ヶ峰学園のキャッチフレーズとも言える「卒業したら人生を成功したも同然」とかいうのは、他校の「就業合格率100%」みたいなのとほぼ変わらない感じだから。
あんまり真に受けちゃダメなんだよね。
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