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第27章 chapter4 ④ 君のサイノウ


あぁ、なるほどね。
他のみんなは才能を自然に発揮する機会があったけど、私のはせいぜい外れたボタンを縫い付け直すのを頼まれたりとかしかなかったもんな。
『じゃあ張り切って、いつもより速く、いつもより丁寧に作ってみせるよ。』
さっそく作業に取り掛かった。
誰かに裁縫をしてるのを見たいって言われたの、これが初めてだな。
何だか嬉しいような、くすぐったいような気持ちになる。
そのせいか、思ってたよりスムーズに作業が進んで、作図から縫製まで懇切丁寧にやったのに5時間以内に完成させることが出来た。
『よしっ、完成だよ。』
出来立てのマスコットを日向くんの目の前に突き出す。
「……途中からずっと思ってたんだけど………」
いまいち表情の薄い日向くんがマスコットを指差す。
「それ、モノミだよな?」
『うん、そうだよ。』
「すごいな。本物とそっくりだ………でも、何でモノミなんだ?」
『可愛いから…………?。』
「そこ疑問符つけるとこじゃないぞ」
すかさず日向くんにツッコミを入れられた。
『まぁ、理由は何だっていいよ。』
そもそも意味なんてないんだし。
『これ、日向くんにあげるね。』
日向くんの手の中にモノミちゃんのマスコットを握り込ませた。
「あ……あぁ、ありがとな………」
技術は凄いけど、でもモノミかぁ……って顔に書いてある。
所詮モノミ、然れどモノミだよ。日向くん。
『ねぇ、実はこういう優しい色合いのピンクって癒し効果があるんだよ。知ってた?。』
「そうなのか?」
日向くんが手のひらのモノミちゃんマスコットを見た。
『例えばね、ある国の刑務所の檻を薄いピンク色の鉄格子にしたんだって。そしたら、囚人たちは前に比べて大人しくなったらしいよ。』
「色が違うだけでそんなに変わるのか?」
日向くんは少し興味深そうに身を乗り出して訊いてきた。
『うん。他には……確か飛び降り自殺の名所って言われるほど自殺者の多い橋があったんだけど、その橋の欄干を黒から緑に塗り替えたら自殺者の数は例年の3分の1に減ったんだってさ。緑は気持ちを落ち着かせる効果があって、冷静さを取り戻して考え直させているんじゃないかって考察を聞いたことあるよ。』
「希灯は色に詳しいんだな」
そう言って感心したように何度か頷いてくれた。
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