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第27章 chapter4 ④ 君のサイノウ
千秋ちゃんと別れてレストランを出た。
千秋ちゃんはロビーでゲームをしてから戻るらしい。
私は……どうしようかな。
『………。』
プールサイドの辺りで、遠目から狛枝くんのコテージを確認した。
室内はブラインドのせいでよく見えないけど、時々チラチラと動く影があるから、狛枝くんは外出してないんだろうな。
まぁ、今はファイルの中身に夢中なのかな……。
取り敢えず、自分のコテージに戻ろう。
今日は以前の通りだったら……4回目の学級裁判のあった日かな。何も起こらないと思うから、今日はゆっくり出来るかも。
そう考えて、私はコテージに帰った。
久し振りに何か作ってみようと裁縫箱を引っ張り出す。
趣味も才能もクラフトワークな私にとっては、手芸は息抜きに丁度良い。
『何を作ろうかなー。』
実用性のないものを作りたい気分だな。
例えば何の変哲もないヌイグルミだとか、バッグを異常にミニチュア化させたマスコットだとか。
……よし、手のひらサイズのモノミちゃんを作ろう。
そう思ってハトロン紙と製図用シャープペンシルを取り出した時だった。
〈……ピンポーン〉
ふいに呼び出しのチャイムが鳴った。
『はぁーい、誰ですかー。』
道具をそのままに、ドアを開けに行く。
始めようとした瞬間に止められちゃったもんだから、ちょっとやる気が削げちゃったな。
どこかへ散ってしまったやる気をほんの少し惜しみながらドアを開けると、そこには予想外な人が立っていた。
「よう……希灯。今、空いてるか?」
目の前に立っているのは日向くんだった。
『うん、空いてるよ。』
誘われるのは久し振りだ。だって以前のとき以来だもん。
その日のことを懐かしく思いながら日向くんを部屋に入れた。
「……これ、ソーイングセットだよな。何か作ってたのか?」
日向くんがテーブルの上に置きっぱなしにしている裁縫箱に目をつけた。
『うん、今さっき出したところ。久し振りに何か作りたくなったんだ。』
「そうか。………なぁ、よかったら作ってるところを見せてくれないか?」
日向くんが物珍しげにルレットをつまみ上げながら言った。
『いいよ。でもどうして見たいの?。見ててもあんまり面白くないと思うよ。』
「だって希灯は超高校級のクラフトワーカーだろ。お前の才能って実際に見たことないから少し気になるんだ」