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第25章 chapter4 ③ program break
ひたひたと冷たい廊下を歩く音が響く。
時計の針は午前3時を指していた。
そんな真夜中に、両手いっぱいの爆弾を抱えて動き回る少女が1人。
夜闇に漂うように、揺らめくように歩いている。
時折、腕に抱えた爆弾を思い思いの地点に置いては、さ迷うようにふらふらと移動を続けた。
マスカットハウスからエレベーターに乗り込み、ストロベリーハウスへ戻ると、また同様に爆弾の設置を行う。
2階のラウンジまで来てテーブルの上に爆弾を1つ置いたとき、希灯は不意に壁を見上げた。
そこに掛けられている肖像画は、弐大に部屋へ運ばれる際に希灯の視界に入ったものだ。
その肖像画の名前のプレートに目を向け、小さく口を動かす。
『…………………。』
恐らく肖像画の人物の名前を口にしたのであろうが、一切それは音にならなかった。
きっと彼女の鼓膜すら揺れはしなかっただろう。
『………。』
小さな口を引き結び、希灯は無表情を崩さないままその場を静かに立ち去った。