• テキストサイズ

スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第25章 chapter4 ③ program break


「十分じゃ馬鹿者がぁッ!! それにおぬしは目を離した隙に板チョコ1枚まるごと食いよって! 後々苦しい思いをするのは自分自身じゃと分かるじゃろう」
「腹減ったんだよ! 我慢出来ねぇよ!!」
悲痛な声を上げながら終里は弐大の腕から逃れようとした。
弐大は暴れる終里を必死に抑える。
「堪えろ、終里! それはこの状況での俺達の唯一の希望なんだ。初っぱなから食べ尽くしてしまっては皆、出口を見つけられないまま飢えて死んでしまうぞ!」
言いながら十神がよろよろと立ち上がる。
「とにかく……次の食事の時間までは我慢するんだ。ここを出るまでは、食事は腹を満たすものではなく栄養を補給するものだと己に言い聞かせろ」
そう終里に告げると、力なく2階へと消えていった。
「百夜ちゃんも他の人より腹ペコみたいっす。だからいつもより顔が険しいっすよ」
十神が出ていくのを見送りながら澪田が呟く。
「そうだな。今の十神はらしくなく、冷静さを欠いているし、微かに苛立っているように見える。行き過ぎた空腹は精神の不安定を招く。普段の十神ならば終里の気を完全に鎮めてから出ていくはずだ」
まだ事は済んでいない、と辺古山が終里の方を見やる。
終里はまだ諦めていないようだった。
「くっそぉぉぉ! 飯をよこせよぉぉ!!」
「いい加減にしたらどうじゃ! アレをしてやるからちっとは落ち着けぇい!」
弐大が何とか終里を宥めようと、指圧マッサージをさせにズルズルと部屋に連れていく。
「……大変だな」
「他人事じゃないぞ。俺達だってあと何日かしたらああなるかもしれないんだからな」
そう考えると、溜め息しか出てこなかった。




/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp