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第25章 chapter4 ③ program break
「……しっかしなぁ、どうやってアイツはこんな状況になることが分かったんだろうな?」
パキッと音を立ててチョコレートを一欠片折りながら左右田が呟いた。
「………希灯のことか?」
飴玉を口の中で溶かす最中の日向が左右田の方を向く。
「あぁ。もしかして、本当に希灯が裏切り者の1人だったりしてな」
「でも、希灯のおかげで助かってるだろ。今はどっち付かずなんだから変に疑うなよ」
「……まぁ、そうだな」
希灯の持ち込んだ菓子がなければ今頃は皆、空腹に堪え忍んでいたはずだ。
1回辺りに食べられる量はほんの少しだが、それでも気休めにはなっていた。
甘味が舌の上にザラリと残る。
「そう言えば、狛枝を見なかったか?」
日向が何となく聞いた。
出口を探して動き回っていた時間ですら、狛枝の姿はなかった。
「あー……狛枝なら"ファイナルデッドルーム"とか言う部屋に入ってったぞ。なんか「希灯サンを助けるための薬があるかも」的なこと言ってたな」
「大丈夫なのか? 危ない部屋なんだろ、あそこって」
「俺が知るかよ……どうなったって、勝手に入ったアイツの責任だ」
左右田が残りのチョコレートを大事にしまい込みながら吐き捨てるように言った。
「創ちゃん、和一ちゃん! 一大事っす!!」
マスカットハウスの階段を駆け上がり、澪田が飛び出してくる。
「どうしたんだ?」
「どうもこうもないっすよー!! とにかくゴートゥーワンフロア!」
そう言って澪田は焦った様子でまた階段を忙しなく下りていった。
あまりの焦りように日向と左右田が不穏な顔付きで立ち上がる。
「おいっ待てよ! 何があったんだ?」
澪田の後を追って2人も階段を駆け下りた。
1階には数人が集まっている。
「2人を止めてほしいっす! このままじゃ唯吹たちの分まで全滅しちゃうっすよ」
十神が腹を押さえて片膝を突き、苦悶の表情を浮かべていて、床では終里が弐大にねじ伏せられていた。
「く………っ! 空腹がこれほどのモノとはな……。辺古山に食糧を管理させておいて正解だった」
辛そうに顔を上げて十神が言った。
近くで辺古山が警戒しながらも心配そうに十神と終里の様子を窺っている。その背には重たげなリュックサックを背負っていた。
「離せ、弐大のおっさん! 俺はもう30分も何も食べてねぇんだ!」