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第24章 chapter4 ② 少女は夢を見る
「……とにかく、このストロベリーハウスとか言う建物を調べてみるか」
十神の言葉で、彼らは下への階段に向かって歩き始める。
「……ねぇ希灯サン、起きて。希灯サン、ねぇったら………」
唯一まだ床に伏したままの希灯を、狛枝が揺すり起こそうとした。
「……皆、ちょっと待って。希灯サンだけ起きないんだ」
「そりゃそうだろ。希灯は俺らみたいな催眠ガスじゃなくて、ゴムハンマーで殴られて気を失ってんだ。醒める時間は同じとは限らねーはずだぞ」
左右田が溜め息混じりに言った。
その後ろから終里が出てくる。
「ちょっと刺激を与えりゃ大概起きるモンだぜ。おら、起きろ」
狛枝を押し退け、終里は希灯の胸ぐらを掴み、そのまま頬を数回軽く叩いた。
『……………。』
その気付けが効いたようで、希灯はうっすらと目を開けた。
「なっ、起きただろ!」
何処か得意気に終里は言う。
「希灯さん、あ、頭は痛くないですか? 気分が優れないようでしたら、わ……私に言ってくださいね」
罪木が心配して駆け寄るが、反応はなかった。
『…………。』
「ふ……ふゆぅ、無視しないでくださいぃ……!」
涙目で罪木は訴えるが、やはりそれにも希灯は何の返答もしなかった。
「……てか、何か様子おかしくね?」
左右田が訝しげな表情で希灯の顔を覗き込む。
「おい、何を呆けてんだ。ふざけてるだけなら今のうちに止めとけ」
『………。』
「……おいって」
『………。』
やはり、何も反応を示さない。
虚ろな目で、無表情な顔で、力の抜けた体で、ただただ沈黙を続けている。
まばたきさえも緩慢になっていて、その場の誰もが「これはおかしい」と感じた。
『………。』
「希灯サン……大丈夫?」
少し狼狽えたように狛枝が聞く。
『………。』
相変わらず沈黙しか返って来ない。
「全然大丈夫じゃないみたいだな……」
辺古山が言うと、花村が首を捻りながら希灯に近付いた。
「それにしてもどうしたんだろうね? 急に黙り込んじゃってさ」
「まさか打ちどころが悪かったのでしょうか?」
「……あ、もしかして」
七海がふと思い付いたように、希灯の額に手を当てる。
『………。』
「やっぱりだ……誉稀ちゃんのオデコが熱くなってる」