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第22章 chapter3 ④ 2度目のリスタート


『おはよう、気分どう?。』
「…………出てって」
私を見た瞬間、狛枝くんが低い声でそう言った。
「……何で看護の心得もない希灯サンがこんな所にいるの? ほんっと迷惑なんだけど。早く出ていってくれないかな。キミと同じ空気なんてボクは吸いたくないんだよ」
うわ、何なんだいきなり。
「あ……あの、ですね………実はこ、狛枝さんは嘘吐き病っていう病気にかかっちゃっているらしいんですよぉ……。だ、だからさっきのはですね……」
罪木さんが眉をひそめてしまった私を見て、オロオロしながら狛枝くんの暴言の理由を説明しようとしてくれた。
そんなのは、もちろん知ってる。
「もしかして、一晩中ボクの看病してたの? わぁ、なんかショックだなぁ。だってさぁ、ボク、キミのことが大っ嫌いだからさ……」
『………。』
落ち着け。狛枝くんは絶望病なんだ。だから苛ついたところで何にもならないんだ。だから、落ち着け………。
徹夜明けで疲れが溜まっているからか、何だか妙に癪に障った。
「怒り」と言うよりは「ストレス」に近い。
「さあ、早くボクの視界から消え去ってよ。ボクは希灯サンのことが神経性胃炎を起こして吐きそうなくらい嫌いなんだ」
思わず横っ面を叩きたくなった。
でもダメだ。
暴力でどうにか事が済むわけがない。
あげそうになった右手をぎゅっと抑える。
『別にいいよ。わ……私だって狛枝くんのこと、好きでも何でもないし………。』
あぁ、しまった。
本音ではあるにしろ、私の方こそ何を口走っているんだ。
そう思って後悔した瞬間、もっとひどく後悔するはめになった。
「………こ、狛枝さん?!」
「そうだよ。ボ、ボクはキミが嫌いなんだ……」
狛枝くんの声が震えだす。
殴りかかりたくなる衝動を少なくするために下げていた頭を上げてみると、狛枝くんは大号泣していた。
『え………。』
びっくりした。
「ここの部屋から、さっさと出ていってよ……目障りで仕方がないんだ」
大粒の涙がぼろぼろと遠慮なく流れていた。そんな状態なのに、狛枝くんは拭おうともせずに泣き続けている。
『……ごめん。』
怯みから出たのは謝罪の一言だった。
そうだよな。嘘吐き病だから、全部嘘なんだよな。
それであんなこと言われたら、そりゃあ泣きたくもなるのかな……?。
………でも、それでも私は。
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