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第22章 chapter3 ④ 2度目のリスタート


『大丈夫だよ、ぐっすり眠れて良かったね。』
ヒヨコちゃんにいじめられてるとき並みにオロオロしてるから、何とか安心させようと笑ってみせた。
「……は、はい。おかげさまで、しっかり回復できました」
笑顔が効いたのか、罪木さんも頬を少し染めて微笑を返した。
『あ……ついでに。罪木さん、ちょっとこっち来て。』
「ふ、ふえぇ……なんですかぁ?」
私の手招きにおそるおそる近付いてくる。
まるで人間に苛められて育った小動物みたい。……まぁ、実際そのまんまなんだと思うけど。
『よーし、動かないでね。』
手を伸ばして罪木さんの額に触れてみる。
……よく分かんないな。でも、尋常じゃないくらい熱いって程でもないから大丈夫か。
「…………?」
『うん、罪木さんは熱ないみたいだね。』
一応、後で本人にもちゃんと体温計で計ってもらおう。
「……あ、ありがとう、ございます。心配してもらえるなんて、嬉しい限りです……一生の思い出にしますねぇ!」
額を両手で押さえる罪木さんは何とも幸せそうに口元を緩ませている。
これだけでそんな反応するなんて……よっぽど人の優しさに飢えてるのかな?。
「……あ、狛枝さん、随分よくなったみたいですね」
罪木さんが狛枝くんの顔色を看ようと覗き込んだ。
『ほんと?。良かったぁ………それはいいとして、ちょっとこの手を離すの手伝ってくれないかな。』
「は、はい、わかりましたぁ……!」
罪木さんはすぐに狛枝くんの手をこじ開けようとしてくれた。
2人で協力して、やっとのことで解放される。
コイツ病人じゃないんじゃないかって疑うほど手に力が入ってたんだよなぁ……。
手加減なしってわけじゃなかったけど、やっぱりちょっと痛かった。
『ありがとう、罪木さん。』
手が自由になって身体的にも精神的にも楽になれた気がした。
何時間もろくな身動きが出来なかったから、罪木さんが来てくれて本当に助かったよ。
「いっいえ、私に出来ることでしたら何でもやりますから」
照れくさそうに両手をブンブン振って、罪木さんはデレッとした顔で言う。
「何か困ったことがあったら、何でも言ってくださいねぇ……!」
うーん……気持ちは嬉しいけど、罪木さんが言うと何でか怖いな。
日向くんも以前の時にそんなこと言ってたなぁ……。
「ん…………うぅ」
ふいに、ベッドのシーツがもぞりと動いた。
狛枝くんが起きたみたい。
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