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第22章 chapter3 ④ 2度目のリスタート
でも、あの裁ち鋏がリスタートを開始するための鍵みたいなものだったから、仕方ないっちゃ仕方ない。
で、鍵を開けるための錠前が私の命だったからそれも仕方がない。
リスタートは最後の手段だから、大事に大事に取っておいたらいつの間にか半分以上の人が死んじゃってて、相当焦ったなぁ。
このまま卒業してもほんの数人しか助からないってね……。
………そう言えば、あの時の私の裁ち鋏は一体どこに消えたんだろう。
リスタートしてから一度も見てない。
プログラムに溶け込んだのかな?。
実際、裁ち鋏以外でのリスタートが可能ってことが今回明確になったわけだし、そんなに気にすることでもないのかも。
……しかし、自分の命と引き替えに全員が復活するなんて、どこぞのRPGの魔法みたいだよなぁ。
でも、リスタートを起動させるための代償はとっても大きなものが必要だったし、それにこれも「イメージ」だからその魔法を私は無意識に参考にしていたんだろうな。
………まぁ、私の命のひとつでみんなが生き返れたのなら、安いものなのかもしれない。
朝になった。
白けた空に暖かみのある光が広がって、部屋にもそれが差し込んできた。
狛枝くんが眠りきって力が緩んだら手を放して他の部屋を確認しに行こうかと考えてたけど、なんかすごくガッチリ掴まれてるみたいで未だに放せてもらってない。
これは絶対手に痕がくっきり付いちゃってるな。ちょっと痛いし。
「お……おはようございますぅ………」
罪木さんがゆっくりと音を立てないようにして病室に入ってきた。
『おはよう、罪木さん。』
掴まれていない方の手を罪木さんに向けてヒラヒラと振った。
「あぁ……あのあの、すいません、わ、私ったらすっかり熟睡してしまったみたいで………ちょっと仮眠をとったらすぐに戻ろうと思ってたんですけどぉ……」
おどおどしながら罪木さんは必死に弁解しようとしてる。
よかった、見たところ絶望病にかかってる気配はないみたい。
「……あっ、ご、ごめんなさいぃ! 言い訳して許されるとか思って言ってるわけじゃないんですよぅ……本当にすいませぇん………!」
半泣きになりながら罪木さんが叫ぶように謝ってきた。
うーん、私は何とも思ってないんだけどな……。
もしかしたら隈ができてるから不機嫌そうに見えたのかな?。
